外国人エンジニアを採用する企業が急増?【採用方法を解説】

全てをコンピュータが管理する現代、ITエンジニアの需要は世界的に増え続けています。

日本国内では人材の供給が間に合わない中、注目されているのが外国人エンジニア。言葉の壁こそあるものの、高い技術力を持っていることで、大手企業や中小ベンチャー企業、世界を目指すスタートアップ企業においても近年採用数が増え続けています。

ここでは、外国人エンジニアを採用するメリットデメリットや注意点を詳しく見ていきます。

増加する外国人エンジニアの採用背景は?

外国人エンジニアの採用は、過去7年で約2倍に増えています。
どうして外国人エンジニアが注目されているのか、まずはその理由を知っていきましょう。

深刻化する国内のエンジニア不足

経済産業省が発表した資料によると、2015年時点で、日本国内では約17万人のIT人口が不足しています。
今後、技術の進歩や少子化も相まって、2030年には40~80万人規模の人材が不足する見込みです。

その理由はAIやIoT技術の台頭です。全てのものをインターネットやコンピュータで制御するようになっている近年、必要となるエンジニアの数も増え続けているのです。

日本国内でエンジニア人口を確保できないとなると、自然と企業は外国人エンジニアの採用を視野に入れていかないと益々エンジニアの採用が厳しくなっていくことが予想されます。

外国人エンジニアの技術力

外国人エンジニアの技術力は、日本人エンジニアとそう変わりません。
中でもベトナムや中国、インド等の外国人エンジニアの技術力は非常に高く、特に先端技術(AIやブロックチェーン等)人材は日本と比較できないほど多く存在しています。

他の職種よりも言語の壁が低い

日本で外国人エンジニアを採用するとき、日本語力を重視する企業は多いです。
しかし、実際のエンジニアの業務には、そこまで日本語は必要ありません。

もちろん、日本人社員からの指示を聞いたり、意思疎通したりするには日本語が必要ですが、それを実行に移す際に使うのは全世界共通のプログラミング言語。
エンジニアは接客や電話対応をすることもないため、他の職種よりも言語の壁が低いのです。

近年は翻訳アプリやwebサービスも充実しているので、日本人社員とのコミュニケーションも円滑になっています。

外国人エンジニア採用する方法は?

それでは、外国人エンジニアを採用するにはどうすればいいのかを具体的に解説していきます。

ビザ取得までの流れ

外国人エンジニアは、就労ビザの中でも「技術」というビザを取得します。

技術ビザを取得し、雇用開始するまでの流れは以下の通りです。

すでに日本国内にいる外国人エンジニアを採用したい場合

1.外国人エンジニアの募集・選考
2.採用したい外国人エンジニアの在留資格を確認
3.労働契約の締結
4.(在留資格が職務内容に合致しない場合)在留資格の変更申請
5.(在留資格が職務内容に合致している場合)所属機関の変更
6.受け入れ準備・雇用開始

海外にいる外国人エンジニアを呼び寄せて採用したい場合

1.外国人エンジニアの募集・選考
2.外国人エンジニアがビザの取得条件(学歴要件など)を満たしているか確認
3.雇用契約の締結
4.在留資格認定証明書交付申請
5.就労ビザの交付
6.3ヶ月以内に来日・雇用開始

ビザ取得に必要な書類

外国人エンジニアのビザ取得に必要な書類は、以下の通りです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 3ヶ月以内に撮影した写真(4cm×3cm)
  • 外国人エンジニアの学歴・職歴を証明する書類(卒業証明書・在職証明書など)
  • 雇用する企業側の規模・経営状況を証明する書類(会社の四季報など)
  • 雇用理由書(任意)

手続き期間は1~3ヶ月

就労ビザの申請から交付までは、手続きに1~3ヶ月ほどの期間がかかります。

処理期間は申請する時期や就労ビザの種類によって異なりますが、できるだけ余裕を持っておきましょう。
詳細な標準処理期間は、法務省の公式サイトで確認できます。

外国人エンジニアを採用するメリット

それでは、外国人エンジニアを採用することに、どのようなメリットがあるのかを知っていきましょう。

モチベーションが高い人材を雇用できる

外国人エンジニア、特にアジア諸国の若いエンジニアは、ハングリー精神が旺盛でモチベーションが高いのが特徴です。

特に日本より報酬が低い国から就労する外国人エンジニアは、故郷の家族に仕送りをする「出稼ぎ労働者」が多いです。
家族の生活を背負っているという責任感から、高い意識を持って仕事に臨んでくれるというのが外国人エンジニアを採用するメリットでしょう。

社内の労働環境が整備される

日本人エンジニアの長時間労働は、国内で大きな問題になっています。
外国人エンジニアは日本人とは考え方が異なり、ワークライフバランスを重視するため、外国人エンジニアをスムーズに雇用するために労働環境の改善は必須。

労働環境を改善することで、結果的に日本人エンジニアにとっても魅力的な企業になるため、労働力の確保をしやすくなるというメリットもあるのではないでしょうか。

海外進出への足掛かりに

外国人エンジニアを採用すると、自然とその外国人の母国と繋がりができます。
海外での新規事業や工場の設置などをする際、現地語を話せたり、現地のリアルな状況を知っていたりする社員がいることは大変な強みです。

また、外国人エンジニアを採用することで、その社員の周辺で会社の知名度が高くなり、大量採用をすれば現地でのプロモーションにも繋がります。

社内の活性化に繋がる

日本人とは違った文化や考え方を持った外国人エンジニアの採用は、新たなアイデアを生むなど社内の活性化にも繋がります。
先に触れたように、外国人エンジニアはモチベーションが高く、ハングリー精神が旺盛なので、すでにいる従業員の刺激になるでしょう。

また、外国人エンジニアとの交流のために英会話を用いるなど、直接業務に関係する部分以外でも個々のスキルアップにも繋がることがありますよ。

外国人エンジニアを採用するデメリット

外国人エンジニアの採用は、メリットばかりではありません。
デメリットもしっかりと理解した上で、外国人エンジニアを適切に採用するようにしましょう。

就労ビザの手続きが大変

日本人とは違い、外国人エンジニアの採用には就労ビザの取得が必須です。

申請1件ごとに様々な書類が必要になり、特に大量採用をする場合は膨大な仕事量が必要になります。手続きの順番や取得するビザの種類を誤ると、不法就労となってしまうリスクもあります。

さらに、ビザ取得後も満了日や更新手続きを一人ずつ把握・管理する必要があるので、外国人エンジニア採用に伴う業務は思っている以上に多いのです。

また、これらの手続きを行政書士などに委託すると、1件辺り5万円~のコストがかかります。

採用・マネジメントでの違い

外国人エンジニアの採用は、日本人の採用よりも工数が長くなってしまうケースもあります。
採用数が増えているとはいえ、活用事例がまだ少なく、初めて外国人エンジニアを採用する場合はどこで探せばいいかわからないということも多いでしょう。

また、採用後も、外国人エンジニアは日本の常識やビジネスマナーを知らないことが多く、マネジメントに苦労するケースも。
外国人エンジニアをうまく活用するには、指示や要望を明確に伝え、認識を擦り合わせていく必要があります。

文化の違い

当然のことながら、外国人エンジニアも日本人とは違う文化や考えを持っています。
宗教上の理由で、祈りの時間や休みたい曜日がある人、食べられないものがある人など様々。

多様性を受け入れられない風土の企業では、外国人エンジニアの採用は難しいでしょう。

英語の修得が必要

外国人エンジニアの日本語が堪能であれば、日本人同士と同じように円滑なコミュニケーションが可能です。

しかし、日本語が堪能な外国人エンジニアは多くありませんし、日本語とエンジニアアリングスキルを外国人に求める企業は数多あるため、給与も高額になる傾向にあります。
そのため、ある程度日本語力に妥協した人材を採用するなら、日本人側が英語を覚えることも必要となってきます。

近年は翻訳機やアプリも進化していますが、会話1回1回に翻訳を挟むと2倍の時間がかかってしまいます。社内研修を行うなどして、業務で日常的に行う会話くらいはスムーズにできるようになるのが理想です。

外国人エンジニアを採用する前に

最後に、外国人エンジニアを採用する際の注意点やポイントを見ていきましょう。

外国人エンジニアの給与相場を知ろう

外国人エンジニアを採用する際、正当な理由なく日本人と待遇に差をつけてはいけません。
「日本語でコミュニケーションができない」などの理由での給与に差をつけている企業があったりしますが、法令上、同じ業務を行う日本人と同等の給与で雇用しなければなりません。

参考までに、日本のエンジニアの平均年収は、ハード系で500万円前後、ソフト系で550万円前後です。

まずはWEB面接から?

海外在住の外国人エンジニアの採用を考えるなら、まずはスカイプなどを用いたWEB面接がおすすめ。
WEB面接なら相手がどこにいても顔を見て話せるので、面接のために来日してもらったり、担当者を海外に派遣したりする必要がありません。

また、WEB面接を導入すれば求職者側の応募ハードルも下がるので、より多くの人材から採用者を吟味することができます。

外国人エンジニアが働きやすい環境を整える

外国人エンジニアに安心して働いてもらうためには、会社側の受入体制も重要です。

日本で就職する外国人は、当然日常生活も日本で送ることになります。社宅を用意したり、生活上の様々な疑問を解決する窓口を設けたりといった、私生活のサポートも必要です。

また、日本人従業員にも採用する外国人の文化や習慣を周知し、理解を深めることも大切です。

まとめ

外国人エンジニアは、日本に足りないIT人材を補い、日本の企業内にも新たな風を入れられる存在。
IT人材の需要は今後も増え続けるため、ますます外国人エンジニアが注目されていくでしょう。

ただし、外国人エンジニアを採用するためには、煩雑なビザの手続きが付きものです。
また、外国人エンジニアが快適に働けるよう、社内の労働環境や外国人の受け入れ体制の整備が必要となります。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事