オンボーディングとは?社員が定着するコツを解説

人材不足や、人材の流動化の影響で「オンボーディング」が注目されています。
新入社員・中途社員をサポートするオンボーディングは、実は既存の社員や企業全体にとってもメリットだらけ。

今回は、そんなオンボーディングの意味や導入方法、具体的な施策をご紹介します。
社員の定着率向上が課題の企業は、ぜひオンボーディングを取り入れましょう。

オンボーディングとは?

人事におけるオンボーディングとは、新入社員向けに行う初期の研修を意味します。

オンボーディングは、元々は船や飛行機に「搭乗する」という意味。船舶や航空業界で、新しい乗組員が早く仕事に慣れるようサポートすることから転じて、他の業界でもオンボーディングという言葉が使われるようになりました。

採用後の課題解決策として注目

オンボーディングが注目されている理由は、主に3つあります。

・新入社員の早期離職率
・中途採用者の定着率の低さ
・新入・中途社員が戦力になるまで時間がかかる

以前は、一度入社した会社には定年まで勤め上げるという考えが一般的でしたが、現在は転職を繰り返す人も多く人材の流動率が高くなっています。
どの業界も人材不足で売り手市場ということもあり、離職のハードルが低く「自分に合わない会社ならすぐ辞めればいい」という考えを持っている人も多数。企業にとっては、人材の確保・定着が大きな課題となっています。

この採用後の課題を解決するために、オンボーディングが注目されているのです。

オンボーディングの目的

オンボーディングは、新入・中途社員を仕事に慣れさせ、職場に定着させることを目的として行います。

新入社員はせっかく入社しても会社の雰囲気に馴染めなかったり、なかなか仕事を覚えられず戦力になれなかったりすると、早期離職をしてしまうケースが多々あります。
オンボーディングで新入社員をサポートすることで、このような早期退職を防ぐことが可能になるのです。

さらに、既存社員の結束も強くなり、業務の効率化や業績アップにも繋がるのです。

オンボーディングのメリット

それでは、オンボーディングに力を入れることで得られる、5つのメリットを見ていきましょう。

新入社員に早期に戦力をつけられる

まずは、オンボーディングで新入社員をサポートすることで、早期に戦力として活躍させられること。

一般的に、新入社員が一通りの仕事を覚え、戦力となるまでに必要な期間は約1年と言われています。
当然、仕事を覚えさせなければ何も始まらないので、教育は必要な業務ではありますが、企業としては一刻も早く戦力となってほしいもの。
教育期間中は教育担当者も通常業務に割ける時間が減るので、戦力になるまでの期間は短いに越したことはありません。

そこで、オンボーディングによって新入社員の能力をより引き出し、教育にかかる期間を短縮することが可能になります。

社員の離職を防ぐ

オンボーディングのメリット2つ目は、社員の離職を防ぐことができること。
新入社員が早期離職する理由は「仕事が覚えられず、貢献できている気がしない」「職場の人間関係に馴染めない」など、オンボーディングでフォローできることがほとんどです。

オンボーディングに力を入れることで、このような離職の原因を減らし、社員の定着率をあげることができます。
退職した社員の穴埋めに再度採用を行うにもコストがかかりますから、大幅なコスト削減にもなりますね。

チームとしての結束力が強化される

通常、新入社員の教育は人事担当者や配属先の教育担当者のみが行うことが多くなっています。
オンボーディングを実施すると、同じ部署の上司やメンバーをはじめ、他の部署や企業全体を巻き込んで新入社員をサポートしていくことになります。
そうすることで、新入社員と既存社員の間はもちろん、既存社員の間でも交流が生まれ、人間関係が構築されていきます。

企業全体の結束力が高まることでエンゲージメントが生まれ、離職率の低下・業務の効率化・業績向上などの効果が見込めます。

社員のモチベーションが上がる

オンボーディングに力を入れると、新入社員は「成長できている」「貢献できている」という実感がわき、モチベーションを高く持って仕事に臨めます。
また、既存社員にとっても、部下や後輩の成長が自分のモチベーションに繋がるケースは多いでしょう。

そして、多くの社員が高いモチベーションを持ち、積極的に仕事に携わることで社内が活性化。新しいアイデアも生まれやすくなり、業務の効率化や業績の向上に繋がります。

既存の社員との連携がとりやすくなる

メンター制度やOJTで既存社員が新入社員の教育にあたると、両者の間に密接な人間関係が生まれます。
新入社員にとって、普段話したことがない人より、いつも指導してくれる人の方が質問をしやすかったり、意見を言いやすかったりするのは当然。
結果、新入社員の意見を取り入れやすくなり、不安や不満を抱いているようなら早期に解決できるのです。

また、部署や企業が一丸となってオンボーディングにあたることで、既存社員同士のコミュニケーションも円滑になり、連携が取りやすくなります。

オンボーディングの導入プロセス

それでは、自社でオンボーディングを取り入れたいと思ったら、どのような流れで実施していくのかを解説します。

①課題を抽出し、目標設定する

オンボーディングは、むやみに実施しても意味はありません。
まずは何のためにオンボーディングを行うのか、目的と目標を設定しましょう。

例えば、新入社員の離職率が高い会社であれば、「新入社員の3年定着率を30%アップ」など。目標とする事柄によって、実施するべき施策や期間が異なってきます。

②オンボーディングプランを作成

次に、オンボーディングプランを作成していきます。
オンボーディングの実施は入社後1年間程度とし、入社当日・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後・半年後…と長期的なスパンでプランを組んでいきましょう。
このとき、解決したい課題を念頭に置き、内容を考えるのが大切です。

また、新入社員の個性やスキルは一人ひとり異なります。
初期のフォローは全員共通でも問題ありませんが、入社後ある程度時間が経ったら、一人ひとりの個性や成長度合いに合わせた個別のプランが用意できると良いでしょう。

③オンボーディングの実行

プランが完成したら、いよいよオンボーディングの実行です。
とはいえ、初めての導入で全てのプランがうまくいくとは限りません。
配属部署と協力しあってフォローをしながら、新入社員に成功体験を積み重ねさせていきましょう。

また、人事担当者の認識と配属部署の実態に差異があるとプラン実行が難しいので、実際に開始する前に配属部署との確認や擦り合わせをしておくことをおすすめします。

④振り返り

最後に、振り返りを行なって実施したプランを見直します。
プランを実施した人事・配属部署・関係部署の意見や感想を聞くのはもちろん、新入社員自身にも聞き取りを行います。
そして改善すべき点があれば改善を行って、次年度はより良いボーディングプランが作成できるようにしていきましょう。

実際に離職率の低下や業績向上に効果があったかどうか、定期的に効果測定をしていくことも大切です。

オンボーディングの具体例

最後に、実際にオンボーディングのために行う施策の具体例をご紹介します。

会社に馴染んでもらいたい場合

まず、離職率低下に役立つのが、新入社員に早く会社に馴染んでもらうことです。
仕事を覚えるのはまだ先でも、とにかく職場に馴染むことができれば、新入社員が「居場所がない」と離職してしまうことを防げます。

これに役立つのは、入社前研修や既存社員への周知といった施策。
入社前研修で配属先の雰囲気を体験してもらったり、既存社員に「どのような新入社員が入るのか」を先に知らせたりしておくことで、新たな職場に馴染みやすくなります。

仕事に早く慣れてほしい場合

次に、新入社員に早く仕事を覚え、戦力になってほしい場合。
この場合は、OJT研修や質問箱の設置が役立ちます。

実際に仕事を見聞きして経験しながら覚え、それでも生じた疑問を遠慮なく聞けるようにすることで、習熟が早まります。

人間関係を早く構築してもらいたい場合

配属先で良い人間関係を築ければ、定着率が上がりますし仕事の覚えも早くなります。
これに役立つのは、歓迎会やメンター制度。
業務時間内だけでは、なかなか互いのことを知ることができないので、歓迎会を開くことで新入社員と既存社員の距離がぐっと近づきます。

また、慣れない職場には、心を開いて話せる相手が一人いるだけでとても心強いものです。
メンター制度を取り入れることにより、新入社員の業務上の疑問や不安を取り除くことができます。

成果をあげる・目標達成してほしい場合

成長や貢献をしているという実感は、成功体験を積み重ねていくことによって得られます。

とはいえ、新入社員に最初から既存社員と同じ成績を求めるのは酷。まずは短期の目標設定をして、低いところから徐々にハードルを上げていきましょう。
既存社員にとっては大した成果ではないとしても、「目標を達成した」こと自体を褒めて育てるのも大事です。

まとめ

オンボーディングは新入社員・中途社員の定着率や、業績向上に役立つ施策です。
また、社員の教育を部署や企業全体が一丸になって行うことで、チーム全体の結束力も上がります。

採用コストの削減・業務の効率化・業績向上など、オンボーディングに力を入れると良いことだらけ。
行き詰まりを感じている企業では、ぜひオンボーディングを導入してみてください。

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