飲食店で外国人を雇用するメリットとは?雇用までの手続きも紹介!

現在の日本では、労働者不足が深刻化しています。農林水産省の統計(※)によると、平成28年には宿泊・飲食サービス業の約65%で人材が不足していたそうです。

人手不足を解消するために、多くの企業では外国人を雇用しています。しかし、これまでは飲食店のホール係やレジ、調理補助・調理師といった仕事内容では、正社員として働くことができませんでした。

2019年4年の「改正出入国管理法(以下、入管法)」の施行により、在留資格「特定技能」が新設され、その対象に外食業も含まれることになりました。これにより、飲食店での外国人の雇用がさらに増えると期待されています。

当記事では、飲食店で外国人を雇用するメリットや、雇用までの手続きをご紹介します。飲食店で外国人雇用を考えている方は特に注目してご覧ください。

農林水産省「外食・中食産業における働き方の現状と課題について」

飲食店で働く外国人が急増中!

現在、飲食業での人材不足は深刻です。日本人の中には「賃金が安い」「きつい」といったマイナスのイメージを持っている人も多く、飲食業で働くことを躊躇する人も少なくありません。

そこで、すぐにでも人材確保を望んでいる飲食業側は、働く意欲の強い外国人を雇用することになります。特に現在は増え続ける外国人観光客や2020年の東京オリンピックに向け外国人客の対応ができるスタッフが必要とされており、飲食業での外国人の採用は増えています。

しかし、これまでは就労ビザを持つ外国人が飲食店で働くことは難しかったため、外食産業で働いてきたのは主に留学ビザを取得している外国人アルバイトでした。

飲食店で外国人スタッフを雇うメリット・デメリット

外国人を飲食店で雇うことにはメリットもありますが、一方で文化や習慣の違いによるデメリットもあるようです。具体的にご紹介いたします。

外国人スタッフを雇うメリット

飲食店で外国人を雇うと、接客面だけでなく、日本人スタッフや企業側にとっても多くのメリットがあります。

異文化交流ができる

外国人を採用すると、スタッフは外国の文化や習慣に触れることができます。外国人の持つ日本とは異なるアイディアや考えは、日本人スタッフにとって良い刺激となります。

訪日外国人のお客様に対応できる

現在、訪日観光客が急増加しています。しかし、訪日外国人全員が日本語を話せるという訳ではないため、日本人スタッフの中には接客に戸惑う人もいます。そこで、外国人スタッフを雇用することで外国人観光客とスムーズにコミュニケーションが図れ、満足のいくサービスを提供することができます。

仕事への意欲の高い人が多い

日本で働こうとする外国人は労働意欲が高く、やる気のある人が多いです。その分仕事の覚えも早く、スタッフとしてどんどん成長していきます。

外国人の方が採用しやすい

日本人には飲食業はきついというマイナスイメージを持つ人が多いため、飲食店で働くことを敬遠しがちです。一方、先の項目で述べた通り、外国人は働きたいという意欲が高く採用しやすいと言えるでしょう。
1人採用するとその友人・知人も一緒に働くこともあり、多くのスタッフを確保できます。

外国人スタッフを雇うデメリット

外国人スタッフを雇用するデメリットには、どのようなものがあるでしょうか。文化や習慣の違いによるコミュニケーションの難しさや、雇用手続きの煩雑さなどが原因となることが多いようです。

日本特有の文化を理解できない

日本人と外国人では「お客さま」に対する考え方が違う場合があります。日本人にとって当たり前だと思う考え方も外国人には理解できないことがあり、接客姿勢を細かく教えなければならないこともあります。

雇用の手続きが日本人とは違う

外国人と日本人では雇用における手続き方法が大きく異なります。外国人を雇う際は在留資格の確認が必要ですし、在留資格によっては労働時間や仕事内容が制限される場合もあります。手続きを誤れば罪に問われることもあるため、雇用に関する知識がないと外国人労働者の雇用をためらう飲食店もあります。

業務上の日本語を教えなければならない

外国人に働いてもらうには、ある程度の日本語を覚えてもらわなければなりません。メニューやマニュアルなども読みやすく書き換える必要が出てくるかもしれません。

早期退職が多い傾向にある

飲食業は人材不足が深刻なこともあり、時間や人手が足りずスタッフの教育が行き届かないことがあります。そのため、スタッフ間でコミュニケーションが十分に取れず、ストレスを溜めてしまう人もいます。特に外国人スタッフの場合、約1~3ヵ月という早期で退職する人が多い傾向にあるようです。

飲食店で外国人スタッフを雇う方法

飲食店で外国人スタッフを雇う方法は在留資格によって異なります。2019年4月より施行された改正入管法により、飲食業の雇用方法は変わっています。飲食店で外国人の採用を考えている方にとっては特に重要な分野ですので、ぜひ参考にしてください。

飲食店で働くことのできる在留資格

・定住者…法務大臣が特別な理由を考慮し、5年を超えない範囲で一定の在留期間を指定して居住を認める人(日系人など)
・永住者…在留期間の制限なく永住できる人
・日本人の配偶者等…日本人と結婚した人・子・特別養子
・永住者の配偶者等…永住権をもった人の配偶者
・留学…留学の滞在資格を取得して在留している人
・家族滞在…就労ビザを取得して日本で働いている人の配偶者・子
・特定活動…他の在留資格に該当しない活動の受け皿として、法務大臣が活動を指定する在留資格
・技能…特殊な分野に属する熟練した技能に従事する活動(外国料理の調理師など)
・特定技能

アルバイトとして採用する場合

アルバイトとして採用する場合は、在留資格・在留期間・資格外活動欄の確認が必要です。採用可能な在留資格は、就労制限がないものと、就労制限があるものに分けられます。

就労制限がない資格

就労制限がない資格は定住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等
です。これに該当すれば、日本人と同じように制限なく働くことができます。

就労制限がある資格

就労制限がある資格(留学・家族滞在・特定活動)でアルバイトをするには、「資格外活動許可」が必要です。在留カードの裏にある「資格外活動許可欄」を見れば、「資格外活動許可」の有無が確認できます。それぞれの就労制限は以下の通りです。
・留学ビザ…週28時間以内。夏休みや冬休みなどの長期休暇時は、1日8時間以内で学業に支障がでない程度。
・家族滞在ビザ…週28時間以内
・特定活動ビザ…取得条件によって異なる。パスポートに添付されている指定書内の活動内容詳細を確認することが必要。

アルバイトから正社員にしたい場合

これまでは、飲食店でのウエイトレス、ホール係、調理補助、洗い場での仕事はいわゆる単純労働とみなされており、そうした業務に就いていた外国人アルバイトを正社員として採用することは認められていませんでした。

しかし、2019年4月からは、新設された「特定技能」ビザ(特定技能1号)により、以下の条件を満たしていれば正社員として働くことができるようになりました。

対象業務…外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)
条件…技能試験「外食業技能測定試験」(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構の試験)、日本語試験(「国際交流基金日本語基礎テスト」もしくは「日本語能力試験・ N4以上」)に合格した人

「特定技能」ビザの詳細・取得方法は、農林水産省ホームページに詳細が記載されています。

正社員として募集したい場合

外国人を正社員として募集する場合は、以下の在留資格を取得している人が対象となります。
・定住者
・永住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
・技能、特定技能(一定条件を満たしたもの)

2019年4月より新設された「特定技能」(特定技能1号)ビザを取得すれば、飲食店でも外国人を正社員として募集・採用できるようになりました。条件は、「アルバイトから正社員にしたい場合」の通りです。
ただし、風俗営業店(バー、キャバクラ、スナック、クラブ、パチンコ)においては、皿洗いなどの仕事であっても働けないので注意が必要です。

まとめ

2019年に入管法が改正されたことにより、飲食業界でも条件を満たせば外国人を正社員として採用できるようになりました。2020年の東京オリンピックも近づき、飲食業においてもさらに多くの外国人の雇用が期待されます。

もちろん、雇用の煩雑な手続きや日本との文化の違いといった問題は残っています。特に、雇用の手続きは適切に行わなければ不法就労となるため注意が必要です。
また、外国人労働者の早期退職が多い理由も考えなければなりません。今後、外国人労働者が長期にわたって働けるように、外国語でのマニュアル整備など、より働きやすい環境づくりを行うことが課題とされています。

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