在留外国人に日本戸籍はある?国際結婚・離婚後どうなるかも解説

外国人と国際結婚・離婚を考えている場合、気になるのが「戸籍」の関係。外国人は日本の戸籍を持っていませんが、持たないままでも結婚・離婚は可能です。また、帰化によって外国人が日本の国籍・戸籍を取得することもできます。
ここでは、そんなとき戸籍にはどのように記載される?苗字の変更や住民票は?など、基本的な疑問にお答えします。

「戸籍」とはなにか

外国人の戸籍システムを知る前に、まずは日本の戸籍とは何なのかについて知っておきましょう。

戸籍の役割は?

戸籍は、家族(夫婦とその未婚の子)を1単位として作られます。そして、その戸籍には家族1人1人の日本国籍に関する事項と、親族的な身分関係が記されています。戸籍の役割とは、その人が日本人であることを明らかにすることと、親子関係を明らかにすることです。
ちなみに、パスポートの発行や婚姻届の提出などの手続きの際には、「戸籍謄本」「戸籍抄本」という書類で戸籍を証明する必要があります。戸籍謄本は家族全員分の戸籍と関係性を記したもの、戸籍抄本は本人1人のみの戸籍を記したものです。

戸籍の三大ルール

戸籍には、以下の三つの原則があります。

  • 三世代戸籍禁止
  • 同氏同戸籍
  • 日本の戸籍を持てるのは日本人のみ

三世代戸籍禁止

三世代戸籍禁止とは、戸籍は「夫婦とその未婚の子」という単位で作られるということです。1つの戸籍に記載されるのは、夫婦や親・子という関係性のみで、孫・祖父母のような三世代間以上の関係性は記載されません。婚姻届を提出して夫婦になると、それぞれ親の戸籍から抜けて新たな戸籍を作ります。また、未婚で子供を持った場合も、親子だけで別の新たな戸籍となります。

同氏同戸籍

同じ戸籍には同じ苗字の人しか記載できないというルールです。例えば、結婚して同じ戸籍に入るには、夫婦どちらかが相手の苗字に変えなければいけません。こえは、現在の法律で夫婦別姓が認められていない根拠にもなっています。
また、苗字が違う家から養子を迎え入れる場合も、養子は戸籍の筆頭者と同じ苗字に改姓しなければいけません。

日本の戸籍を持てるのは日本人のみ

日本国籍を持たない外国人は、戸籍の筆頭者になったり、配偶者や養子として入籍したりすることができません。ただし、入籍=結婚ではないので、日本に戸籍を持たない外国人と入籍せずに結婚することは可能です。

日本に住む外国人に戸籍はある?

結論から言うと、日本に住む外国人に戸籍はありません。外国人が日本で戸籍を持つには、「帰化」という手続きをして日本国籍を取得することが必要です。逆に言えば、日本で戸籍を持つことができるのは日本人のみなので、戸籍を持った時点で外国人ではなく「海外出身の日本人」になるということです。

日本に住む外国人に住民票はある?

日本で戸籍を持たない外国人ですが、住民票はあります。戸籍と住民票は混同されがちですが、実は性質が違うものなのです。
日本に中長期滞在する外国人は、在留資格を記した「在留カード」を持っています。2012年に入管法が改正されて以降、この在留カードが交付される外国人にも住民票が作成されるようになりました。もちろん、在留カードを持たない外国人は、居住を目的としない一時的な来日、もしくは不法滞在ということになるので、住民票も持っていません。

ちなみに、2012年以前は「外国人登録法」により外国人が在留する市区町村が外国人の居住を把握・管理していました。この外国人登録法を廃止し、国が一本化した在留管理制度を持つために、在留カード交付と住民票の作成というシステムができたのです。

外国人と結婚する場合の戸籍について

それでは、外国人と日本で結婚する場合、戸籍はどのような扱いになるのかを見ていきましょう。

国際結婚で「入籍」はできる?

国際結婚で外国人側が帰化せず外国籍を持ったままの場合、「結婚」はできますが「入籍」はできません。外国人と結婚すると、夫婦の日本人側が筆頭者となった単独の戸籍が作られ、その身分事項欄に外国人配偶者についての記載がなされます。

国際結婚で苗字はどうなる?

国際結婚をする場合は、別姓が基本です。諸外国では夫婦別姓は当たり前なので、夫婦で別の苗字を名乗ることに特に不都合はありません。苗字を変更したい場合は、婚姻の日から6ヶ月以内に届け出れば相手の苗字に変更することも可能です。

また、この時使えるのは戸籍に使用するのを認められた漢字とカタカナのみ。例えば「田中花子」さんが「Jhon Smith」さんと結婚した場合、「スミス花子」という表記になります。アルファベットの「Smith 花子」という表記は使用できません。
また、中国や台湾など漢字表記の名前を持つ外国人と結婚した場合、「王」「金」など使用が認められた字もありますが、「劉」など戸籍への使用を認められていない漢字もあります。

他に国際結婚で夫婦同姓にする方法は、外国人が「田中ジョン」という通称名を登録したり、「田中・スミス・花子」「スミス・田中・花子」といった複合姓に変更したりする方法があります。

国際離婚で戸籍や苗字はどう変わる?

国際結婚したあとで離婚すると、日本人側の戸籍には「離婚日」「配偶者氏名」「配偶者の国籍」が記載されます。国際結婚の場合、戸籍自体は男女問わず筆頭者となっているので、親の戸籍にまた戻るのではなくそのまま継続されます。

苗字については、婚姻中に外国の苗字を使用していた場合、そのまま使い続けることも元に戻すこともできます。ちなみに、離婚をしなくても「日常生活に不便を感じる」などの理由で日本の苗字に戻すことも可能です。どちらも家庭裁判所に「氏の変更許可」の申し立てを行います。

外国人が日本の戸籍を持つには


最後に、外国人が日本の戸籍を持つには、どのような手続きが必要なのかを解説していきます。

外国人が戸籍を持つには「帰化」

外国人が日本で戸籍を持つには、「帰化」をして日本国籍を取得する必要があります。また、国籍は1人1つしか持つことができないため、帰化して日本国籍を取得することは、同時に外国籍を手放すことでもあります。
帰化をした時点で、出身地や人種、名前などがどうであっても「日本国籍を持つ日本人」となり、法律上も日本人として扱われます。日本の選挙権・被選挙権を持ち、日本での就業などの活動にも制限がありません。戸籍は単独のものが新たに作られ、日本人との入籍も可能になります。

「帰化」と混同されがちなシステムとして「永住」があります。しかし、この二つの内容はかなり違い、永住は「日本国籍を取得せず永久に日本に住み続ける権利を持つ」ということです。日本の国籍を持たないので戸籍はなく、日本人の配偶者や養子になって「入籍」することはできません。
選挙権・被選挙権を持たず、警察・役所などの公的機関への就職も認められていません。また、犯罪をはたらいたり、再入国許可を得ないまま1年以上日本を離れたりすると、永住権が取り消されることもあります。

帰化するために外国人に求められること

外国人が帰化するために求められる帰化要件には、以下のものがあります。

  • 日本に5年以上継続して住所を持っていること
  • 20歳以上であること(20歳以下の場合、両親の帰化が許可されること)
  • 素行が善良であること(刑事罰・脱税などの履歴がないこと)
  • 収入があり、将来にわたって生計を立てられること

また、帰化の申請の際には小学2~4年生程度の日本語の読み書きテストが実施されるため、ある程度の日本語力も必要です。この他にも、「日本に住所がなくても、居所を有している場合」「日本人と婚姻関係にある場合」など、要件を緩和する条件も定められています。

さらに、帰化をする前提として、

国籍がない、または日本国籍取得後に外国籍を失うこと(日本国籍取得後に二重国籍にならない)
日本政府を暴力等で破壊することを企てるテロリストでないこと

という条件もあります。

まとめ

外国人は、日本に戸籍を持っていません。逆に言えば、日本で戸籍を得た時点でその人は日本人となり、外国人ではなくなるということです。外国人が日本で戸籍を持つためには「帰化」が必要ですが、帰化せず戸籍がなくても日本人と外国人が結婚したり、苗字を同じにしたりすることは可能です。
外国人が日本に帰化して戸籍を得るためには要件があるので、まずはその要件を満たすことが必要です。

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