外国人雇用状況届出書とは?対象となる外国人は?提出方法・書き方を解説

2018年10月末時点で、日本で働く外国人の数は146万463人となっており(※)、届出が義務化されて以降、過去最高を更新しています。
この数字は、2007年10月より事業主に義務づけられた「外国人雇用状況届出書」に基づいたものです。この「外国人雇用状況届出書」とはどのようなものでしょうか。ここでは、対象となる外国人や提出方法、その書き方について解説いたします。外国人を雇用する事業主は必ず提出しなければならないものなので、対象となる方はぜひ参考にご覧ください。

厚生労働省外国人雇用状況より参照

外国人雇用状況届出書とは

「外国人雇用状況届け出」とは、その名前の通り、外国人を雇用したり雇用した外国人が離職したりした時に事業主が厚生労働大臣に届け出るものです。
この届け出に基づいて、外国人が適正に雇用されるように事業主への助言や指導、再就職支援が行われます。また、どの国の人がどれぐらい雇用されているかといった正確な数字や増加率などの情報も得ることができます。

すべての事業主の義務

「外国人雇用状況の届出」、全ての事業主の義務となっています。雇用対策法第28条によると、「事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合又はその雇用する外国人が離職した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その者の氏名、在留資格(出入国管理及び難民認定法第二条の二第一項に規定する在留資格をいう。次項において同じ。)、在留期間(同条第三項に規定する在留期間をいう。)その他厚生労働省令で定める事項について確認し、当該事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。」(※)と定められています。事業主は在留カードで記載内容を確認のうえ、所定の方法により外国人雇用状況を届け出なければなりません。

※出典:e-Gov「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(雇用対策法)」

届出を忘れた場合罰則あり

事業主が外国人雇用状況届出書の提出を怠ったり虚偽の届け出を行ったりした場合は、雇用対策法40条1項2号により30万円以下の罰金に処せられることとなります。

※参照:e-Gov「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(雇用対策法)」
【大見出し】外国人雇用状況届出の対象になる外国人

外国人雇用状況届出の対象となる外国人とは、以下の2点に当てはまる人のことです。
・日本の国籍を持たない人
・在留資格が「外交」「公用」「特別永住権」以外の人

「永住者」や日本人と結婚している人についても、雇用した際は届け出が必要となります。

正社員・アルバイト・派遣社員の外国人・技能実習生も含む

届出の方式は、正社員、アルバイト、派遣社員、技能実習生と雇用契約によってさらに以下のように分かれます。

外国人正社員…特別永住者を除くすべての外国人が届出の対象
アルバイト…留学生や在留資格「家族滞在」でも届出が必要。特に「資格外活動許可」を取得しているかを確認する
派遣社員…派遣先ではなく、派遣元が届出を提出する。登録型の場合は派遣先が決定した都度届け出が必要
技能実習生…監理団体が主体となって届出を提出する

帰化した人・在留資格「外交」「公用」「特別永住者」を持つ人は対象外

帰化した人…日本国籍を取得しているので対象外
在留資格「外交」「公用」…日本・外国政府、国際機関が深く関わる外国人向けの在留資格なので対象外
「特別永住者」の人…特別の法的地位が与えられており、日本での活動に制限がないので対象外

雇用保険の加入の有無で書式が異なる

対象となる外国人が雇用保険に加入するかどうかで、外国人雇用状況の届け出の様式や届出先、届出の提出期限が異なります。ここからは、それぞれのケースでの提出方法をご紹介いたします。

参照:厚生労働省ホームページ「届出様式について」

雇用保険の被保険者である場合

雇用保険の被保険者である外国人である場合は、雇用保険の被保険者資格取得届または喪失届の備考欄に、在留資格・在留期間・国籍などを記載しましょう。

取得届(ハローワークインターネットサービス取得届より用紙を印刷)
喪失届(ハローワークインターネットサービス雇用保険被保険者資格喪失届・氏名変更届)

雇用保険の被保険者でない場合

届出様式に、「氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍、地域等」などを記入し、届け出ます。

様式は以下からダウンロードできます。

様式第3号電子媒体(Excel版)
様式第3号電子媒体(PDF版)

1ページ目の届出内容記入面を用紙の表に、2ページ目の注意書面を裏にそれぞれ印刷します。必要事項を記載し、ハローワーク(公共職業安定所)に提出しましょう。

国や地方公共団体の場合

なお、独立行政法人、国立大学法人、公社等についても届出は必要です。「通知」手続きとなりますが、同じように雇用保険の有無に応じて手続きを行います。

外国人雇用状況届出の方法

外国人雇用状況届出書を提出するには、以下の2つの方法があります。

・ハローワークに提出する
・ネットで電子申請する

ハローワークにて書類提出

まずは、事業所の所在地を管轄するハローワークの窓口に提出する方法です。なお、パスポートや在留カードなどの写しを提出する必要はありません。

外国人雇用状況届出システムにてネットでの電子申請

外国人雇用状況届出システム」を利用して、ネットでの電子申請も行えます。
なお、一度でもハローワークに届出をしたことのある事業者は、「外国人雇用状況届出システム」からはユーザーIDとパスワードを取得できません。届出を行ったハローワークに問い合わせが必要です。

外国人雇用状況届出書の書き方は?

最後に、外国人を雇用する上で重要となる、外国人雇用状況届出書の記入の方法を解説いたします。

届出事項は在留カードで確認

氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍、地域といった記載事項は「在留カード」で確認できます。そのため、当然ですが在留カードを取得していない外国人は雇用することができません。

提出時にパスポートや在留カードの写しは不要

外国人雇用状況届出書の提出時に、パスポートや在留カードの写しを添付する必要はありません。不要である分、事業主は正確に記載することが求められます。

提出はいつまで?

外国人雇用状況届出書届出は、雇用保険に加入するかどうかで提出期限が異なります。

雇用保険被保険者の場合…雇入れの場合は翌月10日まで、離職の場合は翌日から起算して10日以内
雇用保険被保険者でない外国人…雇入れ・離職どちらのケースでも翌月末日(例:10月1日に離職の場合、11月30日まで)

在留カードの確認なしで届け出るのはNG

届出の記載内容の正確性については、事業主が責任を負わなければなりません。もし、虚偽の記載があったり正確に記載しなかったりした場合は、雇用対策法40条1項2号により30万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。

まとめ

外国人を雇用する場合、事業主は様々な手続きが必要です。特に「外国人雇用状況届出書」は、外国人の雇用状況を正確に把握し、外国人の就職がスムーズに行われるためにとても大切です。
この届出は義務化されており、適切に書類の記載・提出を行わなければ雇用対策法により罰則の対象となります。記載内容や提出期限などをよく確認のうえ、必要な届け出を行ってくださいね。

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