なぜ辞めていくのか?手遅れになる前に離職率の平均を下げる方法!

離職率とは、一定期間の間に転職や退職で仕事を辞めた人の割合を算出したものです。
業界・性別・企業規模・雇用形態などによって、かなり大きな開きがあります。

今回は、様々なカテゴリでの日本の離職率平均や、離職率が高い企業の特徴を紹介いたします。
自社の離職率が平均より高い場合、それを改善する方法についてもお伝えします。

離職率の平均と推移

まずは、日本における離職率の平均や推移についてお伝えします。

離職率の定義や、計算方法について詳しく知りたい方は、まず「離職率とは?計算方法・下げるためのポイント」をご覧ください。

全国の離職率平均

2020年9月に厚生労働省が発表した、2019年分の日本の平均離職率は、以下のようになっています。

・全体:15.6%
・男性:13.4%
・女性:18.2%
・一般労働者:11.4%
・パートタイム:26.4%

参照:厚生労働省「2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況」

業界別離職率

次に、業界別の離職率について見ていきましょう。
上記の調査では、厚生労働省の基準で日本の産業を16種類に分類しています。
その中で、離職率が高い業界・低い業界ベスト3をそれぞれご紹介します。

離職率が高い業界

2019年に離職率が高かった業界ベスト3は、以下の通りです。

1.宿泊業・飲食サービス業:33.6%
2.生活関連サービス業・娯楽業:20.5%
3.サービス業(他に分類されないもの):18.8%

これらの業界は、他の業界よりもパートタイム従業員の比重が高く、気軽に転職しやすいことから離職率が安定して高い傾向があります。

離職率が低い業界

2019年に離職率が低かった業界ベスト3は、以下の通りです。

1.複合サービス事業:7.9%
2.建設業:9.2%
3.情報通信業:9.6%
3.製造業:9.6%

離職率が最も低い「複合サービス事業」とは、主に郵便局や事業協同組合のこと。
民間事業者ですが公営に近く、雇用が安定しているため離職率が低いです。

2位と3位は、インフラ・IT業界・メーカーなど、安定して需要の高い業界となっています。

企業規模別離職率

次に、企業規模別の離職率についてご紹介します。

なお、ここでは「大企業」「中小企業」の区分は、従業員100人以上の企業を大企業、それ以下の企業を中小企業としています。

大企業の離職率

従業員100人以上の大企業の離職率は、以下の通りです。

1,000人以上:15.1%
300〜999人:14.8%
100〜299人:21.1%

中小企業の離職率

従業員100人以下の中小企業の離職率は、以下の通りです。

30〜99人:16.6%
5〜29人:14.9%

新入社員の離職率

最後に、新入社員の離職率についてご紹介します。
「新入社員の離職」の定義は新規学卒就職者で、入社3年以内に離職したケースを指します。

大卒:32.0%
短大卒:42.0%
高卒:39.2%
中卒:62.4%

また、企業規模別で見ると、新入社員の離職率は以下のようになっています。

1,000人以上:(大卒)25.0% (高卒)26.0%
300〜999人:(大卒)29.6% (高卒)33.1%
100〜299人:(大卒)32.2% (高卒)37.6%
30〜99人:(大卒)39.3% (高卒)46.0%
5〜29人:(大卒)49.7% (高卒)55.4%
5人未満:(大卒)57.7% (高卒)64.9%

参照:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)を公表します」

従業員数の多い会社ほど、上場企業で社会的ステータスがある、経営が安定していて福利厚生や待遇が充実しているとった傾向があるため、離職率が低くなりやすいです。

離職率が高いことが企業に与える影響

それでは、離職率が高いと、企業にはどんな影響があるのかを解説していきます。

採用・教育コストの損失

採用した社員がすぐに離職してしまうと、それまでにかかった採用・教育コストが無駄になります。
さらに、その人員の穴埋めのためにもまたコストがかかるため、人員の入れ替わりが激しいほど企業の出費が嵩んでしまうのです。

特に、新卒採用では研修にかかる教育コストが、中途採用では一人あたりの採用コストが高くなりがちです。
マッチング度の高い採用を行い、定着率を高めることで、大幅なコスト削減が実現できます。

会社のイメージ・信用の低下

離職率が高い会社は、社員の待遇や経営状況に何かしらの問題があると考えられ、社会的なイメージが悪くなります。
また、退職者の数が多くなると、口コミサイトなどで内情が漏れやすくなり、そこから信用が低下する可能性も。

イメージが悪くなると、求人に募集が集まらなくなって採用が難しくなり、さらにマッチング度の低い採用をしてしまうという悪循環にも陥りかねません。

従業員の士気の低下

退職者が多い会社では、従業員も「仕事を教えてもどうせすぐ辞めてしまう」「辞めた人の分の仕事が増えて迷惑」といった心理になり、モチベーションが低下します。
それが次の退職者の離職理由になる可能性もあるため、退職は連鎖すると言われているのです。
先にお伝えした全国平均よりも離職率が高い会社では、社員の士気や業績維持のためにも何らかの対策が必要になります。

離職率が平均より高い企業5つの特徴

それでは、厚生労働省が発表している平均より離職率が高い企業には、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

①労働条件・労働環境が悪い

労働条件や労働環境が悪い企業では、従業員が離職して別の良い会社を見つけたいと思うのは当たり前です。
給与・労働時間・休暇・待遇・福利厚生などが、従業員に求める仕事に見合っているかどうか、同業他社と比べて遜色がないかどうかを見直しましょう。

大手ではない会社ではコストの都合ですぐには改善が難しくても、不安や不満がある時に意見を言える体制を用意することで、離職に踏み切る前にガス抜きできることもあります。

②人事評価への不信

人事評価が不透明だったり、不平等な会社だと、「長くいても成長や出世ができない」と感じて早期離職する従業員が多くなります。
明確で平等な人事評価制度を作成して従業員に周知し、実際にその基準で運用することで、人事評価への不信を拭うことが可能です。

また、評価基準が明確になると短期・長期の目標も見えやすくなり、長く勤め続けるモチベーションになるでしょう。

③働き方の選択肢がない

正社員・フルタイムのみなど画一的な働き方の会社だと、従業員のライフステージに変化があった時に「今まで通りにできないから辞める」という選択をさせてしまいます。
一人ひとりの都合に合わせて、リモートワーク・時短勤務・フレックスタイム制といった柔軟な働き方を導入することで、辞めずに働き方を変えるという選択肢ができるのです。

一度採用した人材を手放さない工夫をすることで、離職率を下げ、採用や教育コストも削減することができます。

④ハラスメントへの対応がない

セクハラ・パワハラといったハラスメントの防止策や対応が不十分だと、被害者側が「被害を避けるには辞めるしかない」という理由で離職を選んでしまいます。

また、それを見ている周囲も、会社への不信感からエンゲージメントが低下しがち。
ハラスメントは加害者側に100%の非があるため、会社が「ハラスメントを許さない」という姿勢を見せて毅然とした対応を行う必要があります。

⑤社内コミュニケーションが取れない

社内でのコミュニケーションが十分でなく、風通しの悪い会社では、離職理由となる不満を誰にも言わないまま離職してしまう従業員が多いです。
そのような体制だと離職率が下がらないほか、離職が起こる原因が明確にならず、良い対策が取れないことも。

また、普段から意見交換が活発な会社であれば、離職が起こる前に社員の意見を取り入れた体制に変えていくことも可能です。
定期的な面談やアンケート、社内での人間関係の構築サポートなど、社内のコミュニケーションを活性化させ、従業員の意見を取り入れる施策を考えましょう。

離職率改善でもっと魅力ある企業へ

平均より離職率が高い会社では、離職率を下げるための施策が不可欠です。
待遇面を改善して他社に目移りさせないのはもちろんのこと、社内コミュニケーションの活性化や新たな働き方の導入など、大きなコストをかけずにできる対策もあります。

まずは、自社の離職率が高い理由を分析し、その理由をなくしていくのが良いでしょう。
エグジットインタビューやアンケートなどを導入し、退職者から本音の離職理由を聞き出すのが効果的です。

まとめ

日本企業の平均離職率は、約15%です。
業界によってばらつきが大きく、業界ごとの特性や雇用形態にも左右されます。
自社の離職率を下げるためには、従業員の意見を取り入れ、他社に目移りさせない施策が不可欠です。
まずは離職理由を分析し、それに合わせた対策を取り入れていきましょう。

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