IT業界の求人倍率はなぜ高い?採用の現状とポイントとは

求人倍率とは、求職者1人に対する求人の数。
有効求人倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多く、下回れば求職者の数の方が多いことになります。

IT業界は、日本の数ある業界の中でも、特に人材不足が深刻です。

今回は、IT業界の求人倍率の現状や今後の見通し、企業が優秀なエンジニアを獲得するためのポイントなどを解説していきます。

IT業界の転職・求人マーケットの現状

まずは、現在のIT業界の求人倍率や、人手不足が起こっている原因について解説していきます。

ITエンジニアの有効求人倍率は約5倍

有効求人倍率の「有効」とは、ハローワークでの有効期限を表しており、ハローワークでの求人・求職は手続きから2ヶ月間(翌月末)が有効期限として設定されています。

つまり有効求人倍率とは、実際に現在も求職中の1人の求職者に対し、何件の求人があるかということです。

2020年11月の調査では、ITエンジニア(情報処理・通信技術者)の有効求人倍率は1.27
それ以前のデータは、以下のようになっています。

2013年:1.64倍
2014年:1.95倍
2015年:2.16倍
2016年:2.43倍
2017年:2.58倍
2018年:2.61倍
2019年:2.47倍

参照:https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/000707924.pdf
このように、ITエンジニアの求人倍率は、右肩上がりに上昇しています。

2020年の調査で倍率が下がったのは、新型コロナウイルスの影響で失業者が増えたことや、業績悪化の影響で求人を停止する企業が出てきたことが理由と考えられます。
新型コロナウイルスの影響が収まって景気が元に戻れば、ITエンジニアの有効求人倍率はさらに増加していくでしょう。

ちなみに、上記の数字はハローワークを運営する厚生労働省が発表しているもので、転職サイトのDodaが発表しているレポートでは5.22倍とさらに高い倍率になっています。

参照:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/

ITエンジニアの人材不足が続く理由

それでは、なぜITエンジニアが人材不足に陥っているのか、その理由を解説していきます。

止まらない「少子高齢化」

人材不足の大きな要因となっているのが、止まらない少子高齢化です。
出生数が減少することで働き手の数自体が少なくなり、2019年にはITエンジニアの入職率が退職率を下回りました。

人口の減少とともにITエンジニアの人口も減り、2030年には約59万人ものIT人材が不足すると言われています。

IT市場の拡大とエンジニアの需要

ITエンジニアの減少に対し、IT業界の需要が伸びていることも人材不足の理由です。
今や日本の会社で、全くIT技術を活用していない企業はないと言っていいでしょう。

従来はアナログ管理されていたものも、次々にデジタル化が進み、コンピューターやITシステムがほぼ全てのものを管理している時代です。

当然、新たなシステム開発やその運用・保持には人手が必要となり、ITエンジニアの需要が伸びているのです。

急速にアップデートされるIT技術

AIビッグデータIoTなど、近年のIT技術はめまぐるしく進歩し、細分化しています。
その技術を扱えるエンジニアを育成するためには、教育機関や企業がそのノウハウを知り、学生・若手社員に教育を施さなければいけません。

しかし、先端技術は日々変化するため情報が一定ではなく、人材育成がしにくい分野です。

スキルを覚えた頃にはさらに新しい技術が生まれ、古いスキルは役立たなくなっているということもあり、人口補填を技術の進歩に追いつかせることが難しいのです。

劣悪な労働環境のイメージ

IT業界やエンジニアの仕事は、「きつい」「厳しい」「帰れない」の新3Kと言われることがあります。
ブラック企業」「IT土方」といった、エンジニアと繋がるネガティブな言葉もネットで拡散され、エンジニアという仕事に悪いイメージを持つ若者もいます。

少子高齢化の影響で、若者はエンジニアに限らずどの業界でも歓迎されるため、わざわざイメージの悪い業界に就職する人は少ないのです。

コロナ禍がIT業界市場に与える影響は?

コロナ禍で全体的に有効求人倍率が低下する中でも、ITエンジニアの倍率は1を切ることがなく、需要の高さが伺えます。

社会のあり方が変わったことで、エンジニアの面接で増えている質問が「リモートワーク」に関するもの。
ITエンジニアの仕事は、PCさえあれば自宅でできることも多く、在宅の仕事の需要がアップしています。

必ずしもリモートワークを希望しているわけではなくても、社会情勢の変化にどのように対応しているかでその会社の風土を図る求職者も多いです。

また、コロナ禍の影響で、エンジニア未経験者のキャリアチェンジは厳しくなっています。
これは、業績が悪化して教育コストを削減したい企業が多くなっているため。
未経験可の求人数が減り、即戦力となる経験者の需要が高まっています。

優秀なIT人材を採用するには

それでは、企業側が優秀なIT人材を採用するには、どのような施策が必要になるかを解説していきます。

②明確なペルソナの設定

IT人材は求人倍率が高く、漠然と「いい人材が欲しい」という意識では的確な採用ができません。
求人広告を出す前に課題設定を行い、どんなスキルを持った人材が必要なのか、要件を明らかにしましょう。

次の項目とも関連しますが、必要なスキル以外は条件を緩和し、間口を広くするのも人材獲得のポイントです。

①採用条件の緩和

優秀な人材に的を絞らず、採用条件を緩和すれば、間口が広くなって人材を見つけやすくなります。

先にお伝えしましたが、コロナ禍の中ではエンジニア未経験者の就職が難しくなっています。
採用後に教育を施し、育成する前提で採用すれば、若くポテンシャルの高い人材を獲得できるでしょう。

また、IT業界に限らず転職市場では若さが重視されがちですが、スキル重視でベテランの採用に目を向けるのも一つの方法です。

③労働環境の見直し

求人倍率が高いIT業界では、求職者に対して自社が他社より優れている部分をアピールする必要があります。
長時間労働が慢性化しているなど、労働環境が悪い会社が求職者から避けられるのは当然なので、まずは社内の労働環境の見直しを行いましょう。

入社後の生活をリアルにイメージしてもらえるよう、募集ページに1日の仕事の流れを掲載するのもトレンドです。

外国人ITエンジニアの実態と採用

少子高齢化の影響で、国内の労働力はこれからも不足していきます。
海外に目をむけ、外国人エンジニアの採用を考えるのは、人材不足解消の一つの方法です。

外国人エンジニアの採用には教育などの課題もありますが、様々なメリットもあります。
詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

外国人ITエンジニアの就労の実態

2019年時点で、日本で働く外国人ITエンジニア(専門的・技術的分野の在留資格を持つ外国人の数)は329,034人
2014年には147,296人だったので、5年間約2.2倍になっていることがわかります。

参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09109.html

新型コロナウイルスの影響でビザ発給が停止されたことなどから、外国人労働者の数は停滞していますが、状況が戻れば今後も外国人エンジニアは増えていくでしょう。

外国人ITエンジニアの採用の注意点

外国人エンジニアの採用は、人材不足解消の助けになる一方、日本人の採用とは違った注意点もあります。

  • ビザの取得手続き
  • 言語スキルの低さによるコミュニケーションの問題
  • 文化の違いが原因の教育の難しさ
  • 転職リスク

まず、外国人労働者は、ビザの取得・更新が必要という事務手続き上の違いがあります。
万が一ミスがあると、不法就労になってしまうリスクがあるため、外国人エンジニアを採用する場合は担当者が正確な知識を身につける必要があります。

また、言語スキル文化の違いのために交流や教育が難しく、日本人の同僚との間に壁ができてしまうことも。
外国人労働者への教育はもちろん、受け入れる日本人側にも理解や協力を促す必要があるでしょう。

最後に、海外では日本よりも転職が一般的なので、キャリアアップができないと見切りをつけて転職されてしまうリスクがあります。
3年間キャリアに変化がないと転職を考える人材が多いので、入社後のキャリアパスを明確にしておきましょう。

ITに特化した外国人材紹介サービスの利用もおすすめ

外国人エンジニアの採用は、ビザの取得や教育など様々な注意点があります。
また、外国人人材はどこで募集すればいいのかわからないという人事担当者の方もいるでしょう。

そこでおすすめなのが、外国人エンジニアの紹介サービスを利用すること。
JELLYFISH」は、エンジニアを中心に48ヶ国20,000人の登録者を保有しています。
35歳以下・日本語が堪能な人材も多く、ポテンシャルの高い外国人エンジニアの採用が可能です。

無料のビザ申請サポートや、バイリンガルコンサルタントによる外国人のサポートも提供していて、初めて外国人を採用する会社の不安を払拭します。

まとめ

IT業界の求人倍率は、コロナ禍の中でも1倍を下回らない需要の高さ。
人材獲得のためには、企業側が様々な工夫をして求職者の気持ちを掴む必要があります。

ペルソナの設定やポテンシャル採用をはじめ、外国人エンジニアに目を向けるのも一つの選択肢です。

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