タイの仕事文化・風習とは?一緒に働く前に理解しよう

少子高齢化と労働者不足の影響で、現在日本では外国人労働者の雇用が増えています。その中でも、東南アジア諸国の中心でもあるタイ人の採用を積極的に進めたいと考えている日本企業も多いようです。
しかし、タイの文化は日本と部分も多く、せっかく優秀な人材を採用してもその後のマネジメントが不十分となってしまうケースも多いです。当記事では、そのようなミスマッチを防ぐためにも、タイの文化や風習、ビジネスに対する考え方などをご紹介いたします。採用する側がどのように採用後のマネジメントを行えばよいかも含め、参考にご覧ください。

タイ文化の特徴

タイの特徴は、何と言っても王国で王様がいることです。タイ国王は国内では特権的な位置におり、タイ国民はみな国王を敬愛しています。

タイは多民族国家で、大多数がタイ族、続いて中国系やマレー系などが住んでいます。タイは宗教の影響が大きい国で、日本のように無宗教は許されず必ず何かの宗教を信仰しなければなりません。95%の人が仏教徒で、「王国は仏教徒でなければいけない」と憲法に定めてられているほど社会の基礎に大きな影響を与えています。

公用語はタイ語ですが、観光国でもあるため特に都市部では英語を話せる人も多いです。

タイと日本の文化の違い

タイと日本では、生活、文化、風習などはどのように違っているのでしょうか。タイでは当たり前でも日本では違うこと、逆に日本で当たり前だがタイではそうでないことは多くあります。

仕事にまつわる文化・習慣

まずは、タイ人を採用する上で最も抑えておきたいタイ人のビジネスに対する考え方や仕事にまつわる文化・風習をご紹介いたします。

名前の呼び方

タイ人は正式な名前が長く、覚えることが大変なこともあってニックネームで呼び合う習慣があります。仕事の場でも例外ではありません。タイ人を採用した際は、まずどのように呼んだらよいかを確認しましょう。慣れた名前で呼ぶことで、よりコミュニケーションを取りやすくなります。

挨拶の仕方

タイにはワイ(合掌)という挨拶があり、ワイで始まりワイで終わると言われるほどの社会的礼儀作法です。ワイは、両手を自分の胸部中心に合わせてから、ゆっくりと軽く頭を下げます。いい加減にすると評価が下がってしまうので、タイ人と会う際は事前に勉強しておくと良いでしょう。

時間にルーズ

タイ人は時間にルーズで、決まり事や約束事も嫌います。その背景には、渋滞が多く正確な予定を立てにくいというタイの交通事情が関係しています。
日本人にとっては時間を守ることは信用に直接繋がる問題ですが、タイ人にとっては違います。タイ人は時間をあくまで目安として考えているため、タイ人と約束をするときは時間に余裕を持ちゆとりをもった時間配分することが大切です。

プライドは高いの?

タイ人はプライドが高く、他人の目を必要以上に気にしています。人前で叱られる=恥をさらされたと考えるので、怒られたから仕事を辞める人も少なくありません。そのため、タイ人に注意するときは別室に呼んだりプライドを傷つけないように言ったりなどの配慮が必要です。

笑顔でいなければいけない

タイは「微笑みの国」と言われています。笑顔でいることは周りのみんなに良い影響を与えるという考えを持っていて、いつどんな時でも笑顔で過ごします。そのため、反対にイライラしている人や怒っている人がいれば、周囲の人の雰囲気も悪くなると言われています。

生活にまつわる文化・習慣

タイの生活に関する文化の特徴や独自の風習はどのようなものがあるのでしょうか。

h4>虫を殺すことを嫌う

日本では蚊やハエは殺虫剤などで殺してしまいますが、タイ人はどんな小さな虫でも殺すことを嫌がります。これは、仏陀の生き物をむやみに殺してはいけないという戒めが由来となっています。
ハエや蚊は追い払い、小動物は逃がします。どうしても殺さなければならない時は、さらっと処分します。なお、豚や牛などの食肉は生まれた時点で決まっているものと考えられているので良いとのことです。

女性は僧侶に触ってはいけない

タイにはオレンジ色の服を着た僧侶がいます。僧侶たちは多くの戒律を守って修行をしていて、タイでは位の高い存在です。しかし、女性が僧侶に触れると、今まで積んできた修業がすべて無くなってしまうと言われています。例え服でも許されません。タイの女性は、僧侶に触れてしまうことのないよういつも気を使っています。

正月が3回ある

日本の正月は1月1日ですが、タイは1年のうちに正月が3回あります。日本と同じ1月1日、旧正月、タイの旧暦の正月です。旧正月では花火や爆竹を鳴らし盛大にお祝いし、毎年4月13日から15日に行われるタイ旧暦の正月ではソンクラーンという水かけ祭りが行われます。

食にまつわる文化・習慣

食にまつわる文化・習慣は日本とどのように違っているのでしょうか。

主食は米だがスプーンとフォークを使う

タイの主食はお米で日本と同じです。タイのお米は細く粘り気がないのが特徴で、炒めて食されることが多いです。箸も使われますが、特に高級料理店などではスプーンとフォークを用いて食べます。

外食が多い

タイの街中には朝から晩までたくさんの屋台が営業していて、外で食事をとる人がたくさんいます。また、家で食事をする場合も屋台でおかずを買うことが多いようです。

器に口をつけるのはタブー

日本では、味噌汁などはお椀に口をつけて飲みますが、タイでは器を持ち上げ口をつけるのはマナー違反です。タイでは、スープはスプーンやれんげを使って飲むものです。

食事中、音を立ててはいけない

日本では、麺類は音を立てて食べますが、タイでは音を立てて食事をすることはマナー違反です。音を立てて食事をすることは、オナラやゲップよりも下品なこととされています。

食事は辛い、飲み物は甘い

トムヤムクンなどに代表されるように、タイの食べ物はとにかく辛いです。その反面、飲み物は練乳がたくさん入っているものなどが好まれます。

禁酒日がある

タイには禁酒日があり、年に何度か仏教の祝日や選挙の日などに行われます。ます。お酒を1口も口にできないという訳ではなく、お店で販売されなくなったり、レストランなどで提供されなくなったりします。

コミュニケーション・恋愛にまつわる文化・習慣

コミュニケーションは、共に仕事をしていく上で欠かせません。タイのコミュニケーション・恋愛事情はどのようになっているのでしょうか。

初対面でもフレンドリー、コミュニケーションを大切にする

タイ人は、基本的には誰に対してもフレンドリーで、人間関係をとても大切にします。日本人は上司や同僚との人間関係が良好でなくても仕事は仕事と割り切りますが、タイ人は仕事を人間関係の上に成り立っているものと考えている人が多いです。

差別が少ない

これは日本も見習いたいところですが、タイでは同性愛などに対する差別や偏見がありません。その人の個性であり、素敵な人と結ばれるためには大事なこととされています。

嫉妬深い?!

タイ人は恋愛至上主義の人が多く、好きになった相手にはストレートにアプローチします。特にタイ人の女性はとても嫉妬深いと言われていて、恋愛トラブルも多くみられるようです。

タイ人の男性は浮気が多い?

タイ人の男性は恋愛に積極的で、浮気性の人が多いです。そういったタイプの人は、自分が既婚者であろうと気になった女性には声をかけます。女性が嫉妬深いのはそのような事情もあるのでしょう。

お金にまつわる文化・習慣

タイ人のお金に対する価値観や習慣にはどのようなことがあるのでしょうか。

割り勘はしない

タイでも日本と同じように会社帰りや休日に食事に行くことがよくありますが、割り勘システムはありません。自分より高い地位の人が食事代を支払うことが一般的です。また、タイ人同士の場合は、裕福な方が支払うのがマナーとなっています。

外食時、会計所はない

日本の飲食店はレジがあるのが一般的ですが、タイにはありません。タイではレストランでも屋台でもテーブルについたまま会計を済ませます。また、自分で食べたものを覚えておかないと、頼んでもない料理の代金が請求されてしまうこともあるようです。

貯金が苦手

貧富の差が激しく情勢も安定しないため、タイ人にはいつ貧しくなるかわからないという意識があります。また、タイ人は快適に過ごすためにお金を惜しまないので節約が苦手です。そのため、タイ人は貯金をするのが苦手と言われています。

交通にまつわる文化・習慣

タイの交通にまつわる文化・習慣はどのようなことがあるのでしょう。

渋滞は多い

タイは車やバイクの数に対して道路整備が間に合っておらず、渋滞が多い国です。特に、都市部では10分で行けるところが2時間かかったり、車が全く動かなかったりということがあります。日本でも渋滞はありますが、タイは比べ物になりません。

交通事故が多い

タイはとにかく交通事故が多いです。2015年のWHOによる交通事故についてのレポートによると、10万人あたりの死亡者数が36.2人と世界で2番目に多いそうです。交通事故の多さは、交通渋滞と並んで深刻な問題となっています。

教育にまつわる文化・習慣

タイと日本の教育にまつわる文化・習慣や制度はどのようなところが違っているのでしょうか。

義務教育は同じだが、2学期制

タイの教育制度は日本と同じ6-3-3-4年制で、義務教育も日本と同じ小学校と中学校の9年間です。日本と違うのは学期の長さで、前期は5月中旬から10月中旬まで、後期は11月上旬から翌年の3月中旬です。長期休みは3月から5月の約2か月です。

宗教に力を入れている

授業は母国語のタイ語で行われますが、地域によっては英語・中国語などの外国語にも力を入れています。また、ほとんどの学校で週1回程度ボーイ/ガールスカウトや仏教の時間が設けられています。

結婚にまつわる文化・習慣

タイの結婚事情はどうなっているのでしょうか。

結婚後働く女性が多い

タイの女性は、結婚後専業主婦になることが少なく、むしろ男性よりもよく働く傾向にあります。子どもの面倒は母方の祖父母が見るのが一般的なので、子どもがいても働きやすいという背景もあります。

男性は働かかない??

一方で、男性は働かない人が多いです。僧侶になったり、結婚後働かず子育てをしたりする男性は多いです。

離婚率が高い

タイは離婚率が高いです。離婚理由としては、男性が働かないことや浮気が多いです。離婚後は女性が子どもを引き取るのが一般的なことも、働く女性が多いことの一因かもしれません。

愛国心が強く、国王を尊敬している

タイ人は愛国心が強く、国王及び王室を非常に敬愛しています。仕事などでタイ人と接する上では、この点についても理解しておく必要があります。

国や国王をからかってはいけない

タイ人は、国を愛し国王を大切に思っています。冗談でもタイ人にタイや国王ことを悪く言うと、信頼関係は一気に失われてしまうので注意しましょう。

国王や仏教に敬意を払う

反対に、国王や仏教に敬意を払って接し、寺院の近くを通る時は両手の平を合わせるなどをすると信頼関係が深まります。

まとめ

タイ人は、責任感がない・気分に左右される・面倒なことは避けるといった特徴がありますが、温和で親しみやすい人柄の人が多いです。また、仕事の意義ややり方をしっかり教えてれば、責任感を持って取り組んでくれます。
また、転職する人が多く、職場の雰囲気・人間関係も大切なポイントです。決して人前で𠮟らないなど、プライドを傷つけないよう配慮が必要です。

宗教や王室をたいへん敬っているという特徴もあるので、日本の価値観を一方的に押し付けるのではなく、タイ独自の文化も尊重するとよりよい関係が築けるでしょう。

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