外国人が日本で働くには|ビザ・税金・雇用方法を解説

近年、日本で働く外国人が増え続けています。外国人にも雇用する企業側にもメリットがあることから、今後も外国人労働者への注目は高まっていくでしょう。
今回は、外国人が日本で働く際の基礎知識をご紹介。外国人が日本で働くためのビザや、外国人が支払う義務がある税金についてわかりやすく解説していきます。

増加し続ける日本で働く外国人

グローバル化や日本の少子高齢化の影響で、日本で働く外国人は増加しています。まずは、日本で働く外国人の現状について見ていきましょう。

日本で働く外国人の現状


厚生労働省が2019年1月25日に発表した内容によると、2018年10月末時点で日本にいる外国人労働者数は146万463人。前年比18万1,793人増で、パーセンテージでいうと14.2%の増加です。そして、外国人労働者を雇用している事業所は全国で21万6,348ヶ所。こちらも前年比2万1,753ヶ所増、11.2%の増加となっています。
このように、日本で働く外国人は急速な勢いで増えてきています。

外国人が日本で働くメリットとは

外国人が日本で働くメリットは、アジア諸国の中でダントツに賃金が高いというところにあります。アジア系の人にとっては、距離的にも故郷に近く、文化も共通するところがあって馴染みやすいというのも理由でしょう。
また、日本文化や治安の良さへの憧れから、日本での就労を目指す外国人も多くいます。

外国人を雇用する企業のメリットとは

外国人を雇用するのには、企業側にもメリットがあります。
まずは、増えている外国人観光客に対応するためのインバウンド対策できること。日本人で英語や中国語を使いこなす人材は、まだあまり多くありません。対して、外国人は元から英語や中国語を母国語としていたり、若いうちから海外での就労を見据えて語学力を高めていたりしている人が多くいます。

そして、少子高齢化による日本人の労働力不足も、企業が外国人採用に積極的になっている理由です。そもそも若い人が少ない上、大学進学率が高くなった日本では、低賃金の単純労働に従事する若い労働力が不足しています。
そのため、介護・飲食・宿泊・清掃などの業種に従事する外国人労働者が求められているのです。

正規雇用で外国人が日本で働くには

それでは、正規雇用で外国人が日本で働くには、どんな条件が必要なのかを解説していきます。

日本で働ける在留資格

外国人が日本で働くには、「就労ビザ」と呼ばれる在留資格が必要です。ちなみに就労ビザというのは日本で就労することができる在留資格の総称で、「就労ビザ」という種類のビザがあるわけではありません。
就労ビザは、就くことができる職種別に以下の19種類があります。

  • 高度専門職
  • 高度人材
  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 興行
  • 技能
  • 特定技能
  • 技能実習
  • 特定活動

就労ビザを取るうえでの問題

就労ビザを取るときには、その職種に就くために十分な職歴やスキルがあることを証明しなければいけません。また、就労ビザの種類によってはある程度の日本語力が求められることもあります。
本国では学生や無職だけど、日本で初めて就職したいという外国人には取得が難しいことも。申請前に日本で働くことが決まっている場合は、申請する職種と日本で実際に就く職種が一致していることも条件の一つです。

まずは派遣からスタートするという方法も

来日時に就労ビザを取得するのが難しい外国人は、派遣からキャリアをスタートさせるのも一つの方法です。これは、人材紹介や派遣会社への登録なら、日本の会社に直接正社員として雇用されるよりもハードルが低いためです。
さらに、就労ビザによる外国人の在留期間は、基本的に1年・3年・5年の3段階。1年以上の契約期間が保証されている派遣登録なら、安定性が認められてビザが通りやすいです。最初は派遣社員として働きながら、スキルや日本語力、就労実績をつけて社員登用を目指すという方法もあります。

就労ビザのない外国人が日本で働くことは可能?

結論からいうと、就労ビザのない外国人は日本で働くことができません。就労ビザがない外国人が日本で働くと不法就労となり、本人にも企業側にもペナルティが課せられます。
ただし、「就労ビザ」の種類には含まれていなくても、日本での活動に制限がない在留資格もあります。

就労に制限なしの外国人とは

日本での就労に制限がない外国人は、「永住者」「定住者」「永住者の配偶者等」「日本人の配偶者等」の4つの在留資格を持っている人です。これらの在留資格を持っている人は、どんな職種・どんな雇用形態で働いても不法就労になりません。

留学生が日本で働くことは可能?

留学ビザは就労ビザではないので、留学生が日本で働くことは基本的にはできません。ただし、資格外活動の許可をとれば、1週間に28時間以内のアルバイトに従事することは可能です。
資格外活動の許可を得ている留学生には、パスポートの許可証印または「資格外活動許可書」が交付されています。正社員として働くことは就労時間を問わずできないので、留学生が就職する時には在留資格の変更が必要です。

海外在住ならワーキングホリデー利用も

日本では、海外の23ヶ国との間でワーキングホリデー制度が認められています。ワーキングホリデー制度とは、休暇目的で入国した外国人に対し、休暇中の活動資金や滞在費を補うための就労を認める制度です。このワーキングホリデーのために入国する外国人には、「特定活動ビザ」が該当します。特定活動ビザでは就労する職種は限定されていないので、どんな職種でも日本で働くことができます。
ただし、風俗営業や風俗関連業務での就労は認められていません。

日本で働く外国人の納税は?

日本で働く外国人も、収入を得ると納税の義務が発生します。どんな税金を納めなければいけないのかを解説していきます。

外国人の所得税

日本で働く外国人の所得税の扱いは、勤務期間が1年未満か1年以上かによって変わります。

勤務期間が1年未満の場合:非居住者扱い。給与の支払い時に20%の源泉徴収が必要となる。
勤務期間が1年以上の場合:居住者扱い。国外から本人に直接支払われる給与があれば確定申告が必要となる。

ただし、研修ビザで来日した外国人は、給与が入国時に申告した研修手当を上回らない場合には課税はされません。

外国人の住民税

その年の1月1日時点で、日本国内で1年以上の生活を継続している外国人、または定住者である外国人は、住民税の納税が必要です。それ以外の外国人は、住民税を支払う必要はありません。前年の所得に対して、住所がある地方自治体によって一定の税率が課せられます。
ただし、課税されるのは前年の日本国内での収入なので、日本に来た年は住民税を支払う必要がありません。

外国人の税金免除・軽減システム

短期滞在の外国人には、「短期滞在者免税」というシステムがあります。以下の条件を満たしている場合、その外国人の所得は非課税となります。

日本に滞在する期間が年間183日以内であること
非居住者で、外国の会社の使用人であること
給与等の支払者が日本国内で給与等を損金処理していないこと

また、課税所得がある外国人も、確定申告の際に日本人と同じく「雑損控除」「寄附金控除」「基礎控除」などの控除は受けることができます。

まとめ

外国人が日本で働くには、19種類の「就労ビザ」か、日本での就労が制限されない4つの在留資格が必要です。ビザの取得が難しい外国人は、まず外国人向けの派遣会社等に登録して日本で働くのが良いかもしれません。また、留学生は資格外活動の許可を得ることでアルバイトはできますが、正社員としての就労はできません。
日本での就労が認められていない外国人を雇用すると、企業側にもペナルティがあるので注意しましょう。

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