就労ビザの種類は17種類|変更する場合の手続きは?

在留資格の中で、日本国内での就労が許可されているものを「就労ビザ」と呼びます。
就労ビザは種類ごとに就ける職種や業務内容が定められていて、資格外の活動はできません。外国人が日本国内で転職する場合は、就労ビザの種類をチェックする必要があります。

今回は、全種類の就労ビザと、それぞれどんな職業が当てはまるのかを見ていきましょう。

就労ビザの種類は17種類

日本に在留する外国人は、必ず取得しなければならない「在留資格」。在留資格は全部で27種類ありますが、就労が認められているものはそのうち17種類です。

この「就労が認められている在留資格」をまとめて「就労ビザ」と呼び、その種類によって就ける業種に制限があります。
17種類の就労ビザの内訳と、それぞれどんな仕事に適用されるものなのかを見ていきましょう。

①教授

「教授」は、大学教授・助教授・助手などの職業の外国人が取得する就労ビザです。
大学やそれに準ずる教育機関、高等専門学校で、研究・研究の指導・教育をする仕事が当てはまります。

②芸術

「芸術」は、作曲家・画家・著述家など、芸術活動で収入を得る外国人の就労ビザ。
ただし、一見芸術活動に思えても、ダンサー・振付師・演出家・演奏家といった職業は「興行」というビザとなり、芸術ビザの取得はできません。
大まかに言うと、音楽や美術作品の制作を職業としているのが「芸術」、大衆にパフォーマンス等を見せることで収入を得るのが「興行」という区分けになります。

③宗教

「宗教」は、宣教師や僧侶などの職業が当てはまる就労ビザです。
外国の宗教団体から派遣されて来日し、布教活動をして寄付やお布施、講演会の収入などを得る活動が当てはまります。

④報道

「報道」に当てはまる職業は、記者やカメラマンなど。外国の報道機関が来日して日本で取材を行う場合や、外国人が日本の報道機関で就職する場合に取得する就労ビザです。

⑤経営・管理

「経営・管理」は、企業の経営者・役員・取締役等のための就労ビザです。
まだ経営実績がなく、日本でこれから起業したいと思っている外国人は、経営・管理ビザもしくは後でご紹介するスタートアップビザを取得することになります。

⑥法律・会計業務

「法律・会計業務」は、弁護士・会計士・税理士などの職業が当てはまります。
ただし、この就労ビザの取得には、その職業に該当する日本国内の資格が必要となります。

⑦医療

「医療」の就労ビザは、医師・歯科医師・看護師・薬剤師など医療に関わる種類の職業が該当します。
こちらの就労ビザも法律・会計業務と同様、その職業の日本国内の資格が必要となります。

⑧研究

「研究」は、政府関係機関や日本企業で研究者として勤務するための就労ビザです。
ただし、大学や大学院に所属して研究を行う場合、就労ビザの種類は「教授」となります。

⑨教育

「教育」は、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などで教育に携わるための就労ビザです。具体的な職業としては、小・中・高校で勤務する語学教師などが該当します。
ただし、学校以外の語学教室などで外国語講師をする場合は、下で解説する「技術・人文知識・国際業務」という種類の就労ビザとなります。

⑩技術・人文知識・国際業務

「技術・人文知識・国際業務」は、該当する職業の種類が幅広い就労ビザです。
工学・自然科学・法律学・経済学・社会学などの知識を用いて日本で勤務し、他の種類の就労ビザに当てはまらない場合に取得します。
エンジニア・デザイナー・通訳・企業に勤務する語学教師などが当てはまります。

⑪企業内転勤

「企業内転勤」は、日本と外国両方に事業所がある会社の社員が、日本国内の事業所に転勤するときに取得する就労ビザです。
職業の種類は特に定められておらず、「技術・人文知識・国際業務」と同じく幅広い種類の職業が該当します。

⑫介護

「介護」は、介護福祉士の資格を持つ外国人が取得する就労ビザです。
日本国内で、介護・介護の指導などの業務に当たるときに必要となります。

⑬興行

「興行」に該当する職業の種類は、かなりたくさんあります。
俳優・タレント・歌手・演奏家・ダンサー・振付師・モデル・プロスポーツ選手など。別名「タレントビザ」とも言われ、大衆にパフォーマンスを見せて収入を得る職業が当てはまります。
実際に舞台に出る演者だけではなく、演出家やヘアメイクなど、興行に関わるスタッフも興行ビザとなります。

⑭技能

「技能」ビザに当てはまる職業も、種類が幅広いです。調理師・貴金属の加工職人・スポーツの指導者・航空機などの操縦者などが該当します。
特定の分野に対して、秀でた技能が必要な職業に携わる人が取得する就労ビザです。

⑮特定技能

「特定技能」は、国が定めた「特定産業分野」に従事する職業が当てはまります。特定産業分野とは、日本国内で人材を確保するのが難しい産業のことで、介護・建設・造船・農業・漁業・外食業など14種類の産業が指定されています。

特定技能ビザには1号・2号の2種類があり、1号は「知識または経験を必要とする業務」、2号は「熟練した技能を要する業務」と定められています。

⑯技能実習

「技能実習」は、日本の企業で一定期間、技術や技能を学ぶために来日する外国人が取得する就労ビザです。
業務内容は、農業関係・漁業関係・建設業関係など8種類の業界ごとに、作業内容まで定められています。

⑰高度専門職ビザ

「高度専門職ビザ」は、他の種類の就労ビザとは少し性格の違う就労ビザです。就労できる職業の種類などは定められておらず、日本の産業に大きな利益を与える優秀な人材のみが取得できます。
取得資格はポイント制で、学歴・職歴・年収などの合計ポイントが一定以上になると高度専門職ビザの取得が可能となります。

また、永住権取得の際に条件が緩和されたり、本人だけではなく家族の就労が可能になったりするなど、他の種類の就労ビザにはない優遇措置が受けられるのも特徴です。

就労ビザ以外の種類は?

就労ビザ以外に、日本国内では就労ができない、または制限されている在留資格もあります。
それぞれの種類について、見ていきましょう。

一般ビザ

一般ビザは、国内で収入を得ることなく在留することを前提としたビザです。
就労ビザには4種類あり、それぞれ日本国内でできる活動の内容が異なります。

文化活動
無報酬のインターンシップ、日本文化の研究など
留学
日本の大学院・大学・高等学校・中学校・小学校などへの留学生、日本語学校の先生など
研修
企業・自治体等の研修に参加、実務作業を伴わない研修
家族滞在
長期滞在する外国人の扶養家族

一般ビザではフルタイムの就労はできませんが、許可証を得ることでアルバイトなどの短時間労働ができる場合もあります。

特定ビザ

特定ビザは、日本人や永住者の家族・使用人や、日本にルーツを持つ外国人、ワーキングホリデー入国者などが取得するビザです。
特定ビザには、以下の5種類があります。

日本人の配偶者等
日本人の配偶者、日本人の実子
永住者の配偶者
永住者の配偶者
定住者
日系人、定住インドシナ難民、中国残留邦人の配偶者・子など
特定活動
外交官等の家事使用人、ワーキングホリデー入国者、報酬を伴うインターンシップ、EPAに基づく看護師、介護福祉士候補者など
特定活動
観光・保養を目的とするロングステイ

起業(スタートアップ)ビザ

起業ビザは、日本で起業する外国人の中でも「経済産業省の定める告示に沿って地方公共団体から起業支援を受ける起業家」のみが取得するビザです。
それ以外の外国人起業家は、就労ビザの「経営・管理」を取得することになります。

外交ビザ

外交ビザは、外国政府から派遣された外交使節団、もしくは領事機関の構成員のためのビザです。
これらの人に家族が帯同して来日する場合も、外交ビザとなります。

公用ビザ

公用ビザは外国政府や国際機関の公務に従事する人のためのビザです。
外交ビザと同じく、家族が帯同する場合も公用ビザとなります。

就労ビザの種類を変更する場合

先に解説したように、就労ビザはそれぞれ従事できる仕事の種類が決められています。
所持している就労ビザとは違う種類の職業に就くには、就労ビザの種類変更が必要です。

就労ビザの種類変更は、「在留資格変更許可申請」という手続きで行うことができます。

在留資格変更許可申請が必要

在留資格変更許可申請は、就労ビザの新規取得と同じく入国管理局の管轄です。
外国人本人か、雇用する企業の代理人・申請代行業者などが申請できます。

変更後に申請したい種類の「在留資格変更許可申請書」に必要事項を記入し、所定のサイズの証明写真を添付して提出しましょう。

その他に必要な書類

在留資格変更許可申請には、在留資格変更許可申請書の他に以下の書類が必要です。

・パスポート(原本)
・在留カード(原本)
・外国人の学歴・職歴などを証明する書類
・手数料4,000円

また、外国人の所属機関の規模により、会社側が用意する書類が異なります。

カテゴリ1(上場企業など大企業)

・四季報または決算短信などのコピー

カテゴリ2(前年度の源泉徴収税額が1,500万円以上の企業)

・法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)

カテゴリ3(前年度に法定調書合計表を提出した企業・個人)

・法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)
・会社概要
・登記事項証明書
・損益計算書
・雇用契約書
・雇用理由書

カテゴリ4(その他の企業・個人)

・直近年度の決算書のコピー
・会社概要
・登記事項証明書
・損益計算書
・雇用契約書
・雇用理由書

まとめ

在留資格の中で、日本での就労が許可される就労ビザは全部で17種類。ビザの種類によって就ける職業や業務内容が決まっていて、それ以外の仕事をすることはできません。

外国人が日本国内で転職する場合は、就労ビザの種類を確認し、場合によっては変更する必要があります。
就労ビザの変更申請は、ビザの新規取得と同じく入国管理局で行うことができます。

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