経営管理ビザの申請は確実に|申請方法・要件まとめ

外国人が日本で会社を設立するには、「経営管理ビザ」の取得が必要です。2018年の法務省の統計(※)によると、在留資格を持っている263万人のうち経営管理ビザを取得している人は2万5千人(約0.9%)で、その数は他のビザに比べて少ないです。

そんな経営管理は取得難易度が高いとされていますが、具体的にどのようなものでしょうか。ここでは、経営管理ビザの概要や申請方法をご紹介いたします。

※1法務省在留外国人統計

経営管理ビザとは?

「経営・管理」とは、「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項の下欄に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。)。」(※2)のことで、経営管理ビザは日本で会社を経営する外国人または日本で事業の管理をする外国人に付与される在留資格です。

経営管理ビザを取得できないと会社経営ができませんし、不動産費用や会社設立費用などの面でも大きな損害を受けます。経営管理ビザを申請する際には、該当する要件や仕組みを的確に理解しておく必要があります。

※2法務省より引用

日本で会社を経営する場合

外国人が日本で会社を経営する場合、日本国内で適法に営まれているものであれば業種に制限はありません。まず、日本で会社を経営するには以下の在留資格のどれかが必要です。

・永住者(永住者の配偶者も含む)
・日本人配偶者等
・定住者
・高度専門職の一部
・経営管理ビザ

その中で、経営管理ビザが必要となる管理者は以下の場合です。

日本で会社を新しく経営する(個人事業主は安定的・継続的な事業遂行が認められた場合可能)
すでにある日本の会社の経営者となる
・日本の会社の経営権を取得し、会社を経営する(日本に子会社を設立し経営する)

なお、永住者や日本人配偶者など、就労制限のない在留資格をすでに持っている場合は不要です。

日本で事業の管理をする場合

日本で事業を管理する場合には、以下の条件が必要となります。

3年以上の実務経験があり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同額以上の報酬を受けている
部長・課長・工場長等、会社の事業を管理する立場にある

経営管理ビザの要件について

経営管理ビザの要件としては、大きく分けて事務所、事業規模、事業の安定性の3点が求められます。

事務所の有無

事務所や店舗が法人名義で契約されていることと、事業目的で使用されていることが必要です。電話、FAX、PC、コピー機などの事業に必要な設備が備わっているかどうかも事業所の基準に含まれます。
以下に具体的な例を紹介します。

可能な事業所

・法人名義の賃貸事務所
・使用目的が法人のレンタルオフィス

不可能な事業所

・自宅マンション(ただし、事務所スペースと居住スペースが完全に分かれている場合は認められる可能性がある)
・共同事務所
・マンスリーなどのマンション
・移動式の車両

事業規模

事業規模が一定以上の大きさであることが求められます。具体的には、以下のいずれかに該当しなければなりません。

会社経営者本人以外に、2人以上日本に居住するフルタイム社員を雇用していること
資本金もしくは出資金が500万円以上であること
①または②のどちらかに準ずる規模であると認められるものであること

3年以上の実務経験(管理者の場合)

先述の通り、管理者として経営管理ビザを取得する場合は、3年以上の実務経験と日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を得ることが必要とされています。
なお、この実務経験に関しては、大学院で経営・管理の科目を専攻した期間も含むことができます。

その他の要件

会社を経営する人の要件には、管理者のような学歴や経験については定められていません。しかし、これから事業を行う場合、学歴や経験は入国審査の判断材料にもなるため、学歴や経験があった方が有利とされています。

個人事業主の場合は?

個人事業主でも経営管理ビザの取得は可能ですが、会社を設立する場合に比べて申請は難しくなります。
個人事業主として経営管理ビザの取得ができるのは、在留資格変更許可申請の場合のみです。個人事業主の場合には資本金がないため、資本金もしくは出資金500万円の代わりとして、ビジネスに必要な事務所・店舗、備品、商品仕入れなどで500万円以上を使った証明として領収書等が必要となります。

経営管理ビザの申請方法について

ここからは、経営管理ビザの申請方法を紹介します。経営管理ビザを取得するには、すでに日本に在留している人が在留資格変更許可申請をする場合と、外国から新たに日本に来て資格を取得する新規申請の場合があります。

※引用:法務省ホームページ 経営・管理

申請方法

経営管理ビザの取得にあたっては、まず所属する機関によって以下の4つのカテゴリーに分けられます。

カテゴリー1

・日本の証券取引所に上場している企業
・保険業を営む相互会社
・外国の国又は地方公共団体
・日本の国・地方公共団体認可の公益法人
・一定の条件を満たす中小企業等

カテゴリー2

前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人

カテゴリー3

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)

カテゴリー4

カテゴリー1~3のいずれにも該当しない個人・団体

申請対象者

経営管理ビザを申請できる人は以下のいずれかに該当する人です。

・外国人
・経営する会社の職員
・入国管理局が認定した代行者(行政書士など)

申請先・場所

経営管理ビザの申請は管轄の入国管理局で行います。すでに日本に住んでいる人の場合は居住地、海外から招聘する場合は会社の所在地となります。

申請に必要な書類

先ほど紹介した4つのカテゴリーそれぞれによって必要な書類が異なります。

すべてのカテゴリーに共通して必要な書類

在留資格認定証明書交付申請書…1通
(地方入国管理局もしくは法務省のホームページから取得することができます)
写真(縦4×横3cm)…1葉
返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、392円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの)…1通

カテゴリー1

・四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
・主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)

カテゴリー2および3

・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)

カテゴリー3および4(申請人に該当する内容等を該当するいずれかの資料)

日本法人で会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し…1通

外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書(派遣状、異動通知書等)…1通

③日本において管理者として雇用される場合
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書(雇用契約書等)…1通

カテゴリー3および4(管理者として雇用される場合)

日本において管理者として雇用される場合,事業の経営又は管理について3年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有することを証する文書

関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書…1通
②関連する職務に従事した期間を証明する文書(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。)…1通

カテゴリー3および4(事業内容を明らかにする次のいずれかの資料)

①当該事業を法人において行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し(法人の登記が完了していないときは、定款その他法人において当該事業を開始しようとしていることを明らかにする書類の写し)…1通 
※法人を設立する場合と、外国法人の支店を本邦に設置する場合との別を問いません。
②勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書…1通
その他の勤務先等の作成した上記②に準ずる文書…1通

カテゴリー3および4(事業規模を明らかにする次のいずれかの資料)

常勤の職員が二人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料
登記事項証明書…1通(※事業内容のところで提出していれば提出不要)
③その他事業の規模を明らかにする資料…1通

カテゴリー3および4(事務所用施設の存在を明らかにする資料)

不動産登記簿謄本…1通
賃貸借契約書…1通
その他の資料…1通

カテゴリー3および4(その他)

・事業計画書の写し…1通
・直近の年度の決算文書の写し…1通
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

カテゴリー4

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料

源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料…1通

② ①に該当しない機関の場合
給与支払事務所等の開設届出書の写し…1通
下記のいずれかの資料
・直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し)…1通
・納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料…1通

申請から交付までの期間

ビザの申請から交付までは、1か月から3か月程度かかります。審査期間は明確には規定されておらず、申請内容や資料によって異なります。

経営管理ビザに関するQ&A

最後に、経営管理ビザに関するよくある質問をそれぞれ紹介します。

提出資料が外国語の場合は?

提出資料が外国語の場合は、日本語訳を添付しなければなりません。

提出した資料は返却される?

原則として、提出された資料は返却されないことになっています。しかし、もし再度の入手が困難な資料の原本等があれば、申請時に返却希望の旨を申し出ることができます。

活動内容を変更する場合は?

活動内容を変更し他の在留資格で活動する場合は、速やかに変更申請する必要があります。3か月以上継続して在留資格に関わる活動を行っていない場合は、在留資格取り消しの対象となってしまいます。

「4ヶ月ビザ」とは?

2015年4月の法改正により、投資経営ビザから経営管理ビザに変更され、在留期間が変更されました。

投資経営ビザ(2015年4月以前)…3月、1年、3年、5年
経営管理ビザ(2015年4月以降)…3月、4月、1年、3年、5年

これにより4か月の在留期間が新設されています。在留期間4ヶ月の在留資格を持っていれば、住民登録や印鑑登録もでき、自分の口座を開設することも可能となるため、会社設立には有利となります。

不許可になった理由は?

経営管理ビザが不許可になる理由としてよくあるのが次の5つです。

・事業の安定性・継続性が認められなかった場合
・事業の内容が違法な場合
・許可になる要件を満たさなかった場合
・要件を立証できなかった場合
・事業所の存在が認められなかった場合

不許可通知書には不許可の理由は記載されません。不許可の理由を知りたい場合は申請先の入国管理局へ出向いて個別に理由を尋ねることになります。

まとめ

経営管理ビザは会社設立の事業計画などが必要なため、在留資格の中でも特に取得が難しいとされています。
実現できる事業計画や必要書類の立証をしっかりとしておき、確実に許可が下りるよう準備をしておきましょう。

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