日本にいる外国人の数は、平成29年時点で約238万人と言われていますが、日本に滞在するには、在留資格(ビザ)を持っていなければいけません。
在留資格は27種類あり、その中で収入を得られる就労ビザといえば、一般的には「技術・人文知識・国際業務」のことを指すことが多いですが、他にも就労が可能なビザは多くあります。
中でも「特定活動ビザ」は、他の就労ビザに比べると複雑で、特定活動ビザ自体には具体的な活動内容が記入されていない為、本人に尋ねないと分かりません。

当記事では、特定活動ビザとはどのようなものか、種類、活動内容、申請方法について紹介します。
外国人の雇用を考えている人は特に参考にしてください。

特定活動ビザとは?

外国人が日本で様々な活動をする場合でも、その活動ごとにビザを準備することはできません。他の在留資格のカテゴリには当てはまらず、日本でできる活動と法務大臣が認めている活動を指定・許可するビザのことを特定活動ビザと言います。

特定活動ビザの種類

特定活動ビザは大きく分けて3つの種類に分類されます。それぞれを紹介します。

法定特定活動

法務大臣の告示ではなく、入管法の中で高度人材受け入れを促進する目的で規定された活動のことを言い、その家族も含まれます。法定特定活動は、以下の3つがあります。

特定研究等活動

・ 法務大臣が指定する公私の機関との契約に基づいて、研究の指導・教育を行う活動
・ 当該活動を併せて当該特定の分野に関する研究・指導・もしくは教育と関連する事業を自ら経営する活動

特定情報処理活動

・ 法務大臣が指定する日本の公私の機関との契約に基づいて、当該機関の事業所において自然科学または人文科学の分野に属する技術または知識を要する情報処理に関わる活動

特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動

・ 「特定研究活動」及び「特定情報処理活動」を行う外国人の扶養を受ける配偶者または子である場合

告示特定活動

法務大臣があらかじめ告示で定める在留資格で、外国との交流、外国政府との協定を目的とした在留資格のことです。2018年6月時点で43種類の活動が認められています。

告示外特定活動

公示外特定活動は、他の在留資格には該当せず、また、入管法規定の特定活動、告示特定活動にも該当しないが、事情により法務大臣が特別に在留を認めることです。告示外特定活動に多いのは以下のタイプが挙げられます。

特定活動(就職活動)

留学生として来日して学校であるものの、就職先が決まっていないという外国人も多いです。その場合、学校からの推薦や継続的に就職活動を行っていた証明があれば特定活動(就職活動)ビザが取得できます。初回の在留期間は6ヶ月で交付され、1回だけ更新が可能で、最大で1年間取得できます。ただし、この期間で就職先を決められなかった場合、継続することはできなくなります。

特定活動(難民申請中)

外国人本人が、帰国すると危害が及ぶことを理由として難民の申請をすると、特定活動ビザが交付されます。特定活動ビザ(難民申請中)=難民ビザであると勘違いされがちですが、実際に難民申請が認められると「定住者」という在留資格になるため、特定活動(難民申請中)はあくまでも難民の申請をしているという意味となります。

近頃外国人の中で、難民申請をすれば就労制限がなく仕事ができるという噂が広まり、厳密には難民でない人でも特定活動(難民申請中)の在留資格を持っていることが多くなりました。
以前の難民審査は1~2年程度かかることも多く、申請してから6ヶ月経てば就労制限なく仕事に就けましたが、2017年の法改正により、明らかに難民でない人には2~3ヶ月ほどで結果を通知し、場合によっては強制送還も行うという制度に変更されました。

特定活動(出国準備)

在留資格の変更申請や更新申請が不許可になってしまった場合に出国準備として交付されます。期間は30日や31日間が多いですが、55日など通常よりも長い期間を交付されることもあります。

特定活動(老親扶養)

日本に滞在する外国人の親を日本に呼び寄せ、日本で介護・看護したい場合の特定活動です。後ほどご紹介する一定条件を満たしていなければ、在留資格を得ることはできません。

特定活動ビザの許可された活動内容は?

先ほど紹介した特定活動ビザの中でも法務大臣に公示されている活動(2018年現在43種類)には、どのようなものがあるのでしょうか。

外交官などの家事使用人

・ 外交官等に当該外交官等が使用する言語により、個人的使用人として雇用された18歳以上の者が、当該雇用した外国人の家事に従事する活動の場合

ワーキングホリデー

・ 日本文化及び日本国における一般的な生活様式を理解するため、一定期間の休暇を過ごす活動並びに当該活動を行うために必要な旅行資金を補うため必要な範囲内の報酬を受ける活動

アマチュアスポーツ選手

・ オリンピック大会、世界選手権大会その他国際的な競技会に出場したことがあり、日本のアマチュアスポーツの振興及び水準の向上等のために月額25万円以上の報酬を受けることとして日本の公私の機関に雇用され、その機関のために行うアマチュアスポーツの選手としての活動
なお、プロの場合は「興行」の在留資格に該当します。コーチなどの指導者は、在留資格「技能」に該当します。

アマチュアスポーツ選手の配偶者

・ アマチュアスポーツの選手としての活動を行う者のより扶養を受ける配偶者、または子として行う日常的な活動
なお、この「子」には、成年に達した者及び養子も含まれます。

インターンシップ

大学に通っている外国人で、単位取得が認められているインターンシップであれば、それを目的として来日した場合は、特定活動ビザが交付されます。

外国人弁護士の国際仲裁代理

・ 外国の弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和61年法律第66号)第58条の2に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に報酬を受けて従事する活動

特定活動ビザの申請・必要書類

特定活動ビザには申請方法が2つあります。まず、法定特定活動・告示特定活動の場合は、在留資格証明書交付申請を行います。

在留資格証明書交付申請について

提出者

申請者できるのは、本人、申請人を受け入れようとしている機関の職員もしくは他法務省令で定める代理人、申請取次者(公益法人の職員で地方入国管理局長が認めた人、地方入国管理局長に届け出た弁護士又は行政書士、申請者本人の法定代理人)です。
なお、申請取次者は、本人や代理人が日本に滞在している場合に限られます。

提出時期

申請から交付まで1~3か月必要なため、入国以前に交付されるように余裕をもって申請が必要です。

提出先

地方入国管理署(申請人が住んでいる地域を管轄している入国管理署)です。

必要書類(全て共通)

【写真】
縦4c×横3cm2枚、1枚は申請書に貼り付け、1枚は裏面に氏名記入

【在留資格認定証明書交付申請書】
在留目的に合った申請書を提出します。在留資格認定証明書交付申請書は2枚以上あるため、片面印刷するようにしましょう。

・ 特定研究等活動…特定活動(研究活動)用申請書
・ 在留資格を得た方の扶養を受けている人、配偶者の日本赴任についてきている夫・妻や子ども…特定活動用申請書
・ 特定活動(医療滞在)…特定活動(医療滞在)申請書 など

【日本での活動内容に応じた資料】
活動内容に応じて揃えなければならない資料は異なります。

【手数料】
手数料は必要ありません。

【身分保証書】
身分保証書は入管法別表第二で定められている在留資格に該当する方のみ準備しましょう。日本語と英語版の2種類を提出します。

【質問書】
日本人・永住者・日系人の配偶者は質問書を提出する必要があります。

【外国人患者に係る受け入れ証明書】
入院で日本に滞在する予定の人が提出する書類です。

告示外特定活動の申請について

告示外特定活動は、個々の外国人の事情による付与のため、申請方法は異なります。特定活動(老親扶養)の申請方法をみてみましょう。

特定活動(老親扶養)申請方法

親が一度短期滞在ビザで来日してから在留資格変更許可申請をすることにより、短期滞在ビザから特定活動ビザへ変更することになります。
本人である子が日本の入管で在留資格認定証明書交付申請して親を呼び込むことができない点に注意が必要です。

特定活動ビザに関するよくある質問

特定活動ビザに関する質問はどんなものがあるのでしょう。それぞれに分けて紹介します。

インターンシップで在留資格が取得できる条件とは?

単位が認められるインターンシップであることです。日本側の会社との間にインターンシップに関する契約書が必要です。

短期滞在と特定活動の在留資格が適応されるインターンシップの基準とは?

外国人学生のインターンシップは短期滞在ビザと特定活動ビザに分かれています。
短期滞在ビザは滞在期間が90日を超えない場合で、原則更新不可です。特定活動ビザは、1日8時間以内、1週間に28時間以内の収入を発生する人を対象としています。

ワーキングホリデーでの特定活動ビザの条件とは?

「特定活動」ビザでは、必要な旅行資金を得るための就労が認められていますが、風俗営業や風俗関連業務を行っている場所での就労は認められていません。ワーキングホリデーで来日した外国人をそのまま採用する場合は注意てください。

全ての国で共通の条件

・ 一定期間、日本において主として休暇を過ごす目的であること
・ 有効なパスポート、及び帰国のための航空券または航空券を購入するための十分な資金があること
・ 日本で最初の滞在期間中生活するのに相当な資金を持っていること
・ 健康であること

が条件とされています。それに加え、イギリス・アイルランド・フランス・香港・台湾・ノルウェー・ポーランドでは、滞在終了時に日本国を出国する意図を有することという条件があり、この場合はワーキングホリデー後就労ビザに切り替えることが出来ない場合もありますので、注意しましょう。

特定活動ビザを取得している人は社会保険に加入しなければならない?

社員を雇用した場合、事業主(会社)は、その社員の雇用条件や実態に応じて、労働保険および社会保険へ加入させる義務があります。これは、社員が日本人でも外国人でも同じです。条件に当てはまれば、外国人であっても強制的に加入しなければならない保険です。
特定活動ビザでも、働く条件によっては加入しなければいけませんので注意しましょう。

難民申請者の雇用方法は?

難民申請中の外国人を雇用することは、指定された職業の中では可能です。しかし、実際に難民申請中の人が雇用されている業務内容は就労ビザでは認められていない単純労働系の職種が多く、その場合は就労ビザへの変更ができません。
特定活動(難民申請中)の方を雇用する時には、長期的な雇用ができない可能性もあるため、注意が必要です。

特定活動ビザ(老親扶養)の条件とは?

老親扶養は、高齢だから、本国では誰も身寄りがないからといった理由だけでは認められません。在留期間は1年というケースがほとんどのようです。更新することは可能ですが、更新の際にも厳しい審査が行われることが考えられます。
また、原則として扶養内で生活することとなるため、収入を得る活動はできません。

条件として、一定の収入があること、本国には親を扶養してくれるような親族などの身寄りが誰もいないこと、扶養者に日本で親を扶養するための経費支弁能力があることがあげられます。

まとめ

特定活動ビザの種類・申請方法について紹介していきました。雇用しようとしている外国人の在留資格が「特定活動」だった場合、在留カードの確認とともに、必ず「指定書」も確認する必要があります。
この指定書には、法務大臣がその外国人の日本で行うことができると認めた活動内容が記載されています。指定書に書かれていない活動はできないので、採用の前はきちんと確認してください。

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