就労ビザでアルバイトは法律的にNGなのか?

最近、街でよく見かける外国人労働者。日本にいる外国人労働者の数は2017年時点で127万8670人と、過去最大の人数になっています。
特に、アルバイト従業員の2割は外国人と言われるほど、アルバイトとして働いている人が多いです。

しかし、外国人が日本で働くには様々な条件があることをご存知でしょうか。
日本で外国人労働者が働くには、就労ビザが必要です。「資格外活動・不法就労の疑いで経営者逮捕」というニュースを目にしたことのある方は多いと思いますが、この場合、その外国人の強制退去だけでなく雇用した経営者も逮捕されてしまうのです。

ぜひこの記事で外国人の就労に関する制度を知り、適切に見極め外国人労働者を雇用する参考にしてください。

就労ビザを持っている外国人はアルバイトが可能

外国人が日本で90日以上滞在する、または日本で報酬を得るにはビザを取得する必要があります。ビザは17種類あり、働くことを目的としたものを就労ビザと言います。
まずは、そんな就労ビザについてご紹介いたします。

就労ビザとは

就労ビザとは、外国人が日本で働くことを目的として日本に滞在していることを証明する資格の総称です。
日本人が日本で働く際はどの職業にも就けますが、外国人はそうではなく、日本で決められている職種のみで働くことができます。

就労ビザの種類は、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、技能、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、興行、教授、芸術、宗教、報道です。
例としては、デザイナー、海外に子会社のある企業での転勤、通訳、料理人などが挙げられます。

就労ビザを取得するには、申請時に入国管理局で審査を受ける必要があります。診査の内容は、仕事の内容が働く外国人に適しているか、申請する外国人の身分、雇用する会社の安定性についてで、全て合格しなければ就労ビザを得ることができません。
申請する外国人の身分がしっかりしても、雇用する企業側に安定性がなく取得できないケースもあります。就労ビザは一人一種類しか取得することができないため、他の職種に就く際はビザを変更する必要があります。

また、就労ビザの有効期限は人によって違い、3か月から5年と幅があります。この期間を過ぎる際は更新しなければいけませんが、更新しないと不法残留として退去させられてしまいます。

就労ビザでアルバイトは可能である

就労ビザでは一種類しか働けないと説明しましたが、就労ビザでアルバイトをすることもできます。アルバイトを行う方法としては、「就労ビザの職種範囲内のアルバイト」と「資格外活動許可を取得してのアルバイト」があります。

就労ビザの職種範囲内のアルバイト

例えば、技術の就労ビザを取得している人がSEとして正社員として働き、土日にフリーランスのSEとして働くことは可能です。
また、勤務先の会社が副業を許可していれば、その他の申請は必要なくアルバイトができます。

不正がばれたら就労ビザの更新が不可に

未許可でアルバイトをしたり雇ったりしても、少額ならばれないではないかと考える人も多いようですが、不正はばれてしまうものです。

なぜばれるのかと言うと、就労ビザ更新時に納税・課税証明書を提出する必要があることや、入国管理局の実態調査部門による調査、友人などの情報で分かるからです。
特に入国管理局の実態調査部門では、働いている他の人からの聞き取りを行うため、不正はすぐにばれてしまいます。

アルバイトが許可されていないビザの種類

アルバイトが許可されていないビザは、「文化活動」「留学」「家族滞在」「特定活動」です。このビザで日本に滞在している人は「資格外活動」の許可を得なければ日本で就労できません。

留学生は、週に28時間以内でのみ資格外活動ができ、勉学に支障のない程度でアルバイトとして働くことができます。

資格外活動許可申請でもアルバイトが可能?

取得していない就労ビザのアルバイトを行うことはできますが、資格外活動許可を得なければなりません。
コンビニエンスストアなどでよく見かける外国人の従業員は、永住権を持っている人や家族滞在者、定住者や留学生が資格外活動許可を得ているというパターンです。

資格外活動許可申請とは?

資格外活動許可とは、日本に在留している外国人が現在の在留資格を保有したまま収入を得ることです。
資格外活動の許可を得なくて良いのは、先述した保有資格の範囲内でのアルバイトやボランティア活動などですが、講演などで収入が一時的にでも発生する場合は申請が必要です。

資格外活動の許可を得ても、すべての職業に就けるわけではありません。就労ビザで資格外活動を申請した場合は、あくまで就労ビザでの労働が主であり資格外活動は副業扱いとなるため、主な労働に影響のないように働かなくてはなりません。
また、就労ビザで資格外活動を取得すると、コンビニエンスストアや引っ越しの仕事などのいわゆる力仕事や単純作業は制限される場合があります。

資格外活動申請で単純作業ができる在留資格は、「留学」「家族滞在」「文化活動」「特定活動」の4つです。条件によっては認められてない場合がありますので注意しましょう。
また、すべての資格外活動は、風俗営業、ゲームセンター、パチンコ店などで働くことはできません。

資格外活動申請から許可までの流れ

資格外活動申請は、申請者である日本企業で雇用されている外国人本人、もしくは申請を取り扱う企業の人事担当者・行政書士が代理人として行うことができます。
留学生などは事前に、他の在留資格の外国人に関しては就労先が決定した段階で申請します。

資格外活動申請の流れは以下の通りです。
1. 本人もしくは代理人が、「資格外活動申請書」「添付書類」を外国人が住む場所を管轄する地方入国管理局に申請する
2. 書類審査に通過すると資格外活動が許可される「通知書」が送付される
3. 入国管理局へ通知書、パスポート、在留カードを持参し、資格外活動許可書を交付してもらう

在留カードを持っている人は、在留カードの裏面に資格外活動許可が取得されていることが明記されます。

資格外活動許可申請の制限

申請は、資格外の活動を開始するまでに必ず行わなければならなりません。申請から許可が下りるまで、2週間から2か月です。
なお、資格外活動申請を行うのに費用はかかりません。

資格外活動許可申請の提出書類

資格外活動許可申請の提出書類は次の通りです。

・ 資格外活動許可申請書
・ 在留カードもしくは外国人登録証明書(外国人登録証明書)
・ 在留カードのコピーもしくは外国人登録証明書のコピー(本人が申請する場合は不可)
・ パスポートまたは在留資格証明書(提出できない場合は理由が必要)
・ 身分が分かる書類(本人以外が申請する場合)

申請書の様式は法務省ホームページから入手できます。

資格外活動許可申請の有効期限

資格外活動許可の期間は無制限ではなく、有効期限は保有している在留資格と同じです。
在留資格を更新する時点で資格外活動許可を継続したい場合は、どちらも更新する必要があります。期間満了の3か月前から申請できるため、早めに申請しましょう。

資格外活動許可の種類

資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可の」2種類があります。2種類のそれぞれの特徴について紹介します。

包括許可とは

包括的許可は、主に「留学」「家族滞在」の在留資格を持っている人が取得できます。
包括的許可は、簡単に言うとアルバイト先や勤務内容が細かく決まっていなくても許可がもらえるケースのことです。アルバイト先が変わっても許可を取り直す必要がありません。
週28時間の労働活動制限と、規定を守れば許可を申請することができます。

個別許可とは

「留学」「家族滞在」以外の在留資格の人は全て個別許可です。
決められている活動以外はそれぞれ個別に申請しなければならず、確定していない活動内容は申請することができません。
資格外活動申請は約1か月と言われますが、場合によっては早期申請ができる場合もあるため、必要であれば入国管理局に相談しましょう。

まとめ

外国人労働者は増加傾向にあり、日本の企業、経営においても外国人労働者の力は不可欠です。

ここまででご説明した通り、外国人が日本で働くには様々な条件があり、簡単に雇えるわけではありません。
外国人労働者を雇うにあたっては、基本的な知識がないと経営者側にもリスクが生じるため、この記事が役に立てば幸いです。

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