就労ビザの取得条件とポイント|種類・期間別に紹介

就労ビザは外国人が日本で働くために絶対に必要なもの。取得するためには、それぞれのビザの条件に合致することを申請時に証明しなければいけません。

今回は、就労ビザの種類・期間ごとに取得のための条件をご紹介いたします。
実際には個々のケースによって審査基準が異なりますが、共通する条件や大まかな傾向をお伝えします。

就労ビザとは?

就労ビザは外国人に交付される在留資格の中で、就労資格があるものの総称です。
全部で以下の17種類があり、それぞれの種類ごとに就労できる職種や職務内容が決められています。

  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 興行
  • 技能
  • 特定技能
  • 技能実習
  • 高度専門職

就労ビザの取得条件とポイント

それでは、就労ビザを取得するための具体的な条件とポイントを見ていきましょう。

  • ビザ申請人サイド
  • 受け入れ企業サイド

それぞれの条件を解説していきます。

就労ビザの取得条件:ビザ申請人サイド

就労ビザの取得条件は、大まかに言うと「その人を日本に受け入れて働いてもらうことで、日本に利益があること」です。
日本に受け入れたあとにテロや犯罪で治安を悪化させたり、職がなくなり生活保護を受けたりして日本の財政を圧迫する可能性がある人には、就労ビザは交付されません。

その保証を得るために重視されるのは、以下のような条件です。

  • ビザ申請人の学歴
  • ビザ申請人の職歴
  • ビザ申請人の職務内容
  • 雇用の必要性
  • 素行が不良でないこと

まず、優れた学歴や職歴を持ち、高い能力を持っている外国人を受け入れることで、日本に新たな知識や技術が流入して利益をもたらします。
こういった外国人は、就労ビザの審査を通過しやすいでしょう。

次に、職歴や学歴が、日本で従事する職務内容と関連していることも条件の一つです。
そして、外国人が日本に入国したあと従事する職務内容が、上で挙げた17の就労ビザのうちいずれかに合致していることも取得の条件となります。

また、日本国内ではまかないきれない労働力を、外国人労働者で補填することもあります。例えば介護や宿泊業、農業や漁業などです。
これらの労働力を日本が必要としているため、特定の業種は就労ビザの審査を通りやすくなります。

さらに、過去に犯罪行為や税金の延滞がなく、素行が良好なことも審査を通過するための条件。軽犯罪一つで絶対に就労ビザが降りなくなるということはありませんが、審査の際には素行も重視されます。

このほか、就労ビザの種類によっては特定の資格や学歴が必要になることもあります。
ここでご紹介したのは全ての就労ビザに関わる大まかな条件なので、種類ごとの細かな条件は入国管理局のホームページなどで確認しましょう。

就労ビザの取得条件:受入企業サイド

就業ビザには、受け入れ企業側にも次のような一定の条件があります。

  • 事業の安定性
  • 事業の収益性
  • 雇用の必要性

外国人労働者を受け入れても、受入企業がすぐに倒産してしまっては、日本国内に無職の外国人が増えてしまいます。それを防ぐため、受入企業側は就労ビザ申請時に会社の規模や経営状況を証明する書類の提出を求められます。
つまり、受入企業にある程度の安定性が認められ、問題なく外国人を雇用できると判断されれば就労ビザが交付されるのです。

ちなみに、大企業ほど信用性が高いため必要書類が少なく、新規企業など信用性の低い会社の方が多くの資料を提出しなければいけません。

就労ビザの在留期間別の取得条件

就労ビザには、職種別の種類だけではなく期間による区別もあります。

就労ビザの期間は、3ヶ月から5年までの4種類。それぞれの就労ビザを取得するための条件について、解説していきます。

在留期間5年の取得条件

在留期間5年の就労ビザは、永住権を除くと最長の在留資格。
そのため簡単には取得できず、求められる条件は厳しいです。

在留期間5年の就労ビザの取得条件は、以下の通り。

  • 就労予定期間が3年を超える
  • 入管法上の届出義務(住居地の届出・住居地変更の届出・所属期間の変更の届出など)を履行している
  • 学齢期の子供がいる場合、子供が小学校または中学校(インターナショナルスクール等も含む)に通学している
  • 勤務先がカテゴリー1(上場企業、独立行政法人、公益法人等)またはカテゴリー2(前年分の給与所得の源泉徴収額が1,500万円以上ある法人)
    それ以外の勤務先の場合は、既に3年の就労ビザを持っていて、かつ引き続き5年以上就労する見込みの場合

在留期間3年の取得条件

在留期間3年の就労ビザは、5年の次に長期の在留資格。種類によっては、3年が最長のものもあります。

在留期間3年の就労ビザの取得条件は、以下の通りです。

  • 就労予定期間が1年を超え3年以内
  • 入管法上の届出義務(住居地の届出・住居地変更の届出・所属期間の変更の届出など)を履行している
  • 学齢期の子供がいる場合、子供が小学校または中学校(インターナショナルスクール等も含む)に通学している
  • 勤務先がカテゴリー1(上場企業、独立行政法人、公益法人等)またはカテゴリー2(前年分の給与所得の源泉徴収額が1,500万円以上ある法人)
    それ以外の勤務先の場合は、既に3年の就労ビザを持っていて、かつ引き続き5年以上就労する見込みの場合

また、すでに1年の就労ビザを持っている場合、次の条件を満たすと1年から3年に延長される場合があります。

  • 就労予定期間が1年を超え3年以内
  • 入管法上の届出義務(住居地の届出・住居地変更の届出・所属期間の変更の届出など)を履行している
  • 学齢期の子供がいる場合、子供が小学校または中学校(インターナショナルスクール等も含む)に通学している
  • 勤務先が、設立したばかりの法人(第1期の決算書類がない法人)、直近まで休眠中だった法人、個人事業主ではない
  • 職務上の地位・活動実績・所属機関の活動実績等から、在留状況を1年に1度確認する必要がない

在留期間1年の取得条件

一般的な外国人に交付される就労ビザは、ほとんどが期間1年。1年の就労ビザの条件は、以下の通りです。

  • 就労予定期間が1年以下
  • 所属機関が最下位のカテゴリー(技術・人文知識・国際業務ビザの場合はカテゴリー4)
  • 3年の在留期間を持っていたが、届出義務に不履行(学齢期の子どもを小・中学校に通わせないなど)がある場合
  • 入局管理局が1年に1回、状況を確認したいと考えた場合

期間1年の就労ビザは、所属機関や本人に信頼性があまりないものの「とりあえず1年入国させて様子を見よう」という外国人に交付されるビザです。そのため、期間1年の就労ビザの条件はそこまで厳しくありません。

3ヶ月や6ヶ月もありますが、基本的には就労ビザの期間は1年が最短です。
なぜなら、短期滞在ならビザなしで入国できることも多いですし、3ヶ月以上の就労期間があれば1年の就労ビザが交付されることがほとんどなためです。

在留期間3ヶ月の取得条件

前の項目でも触れましたが、ビザ免除国の外国人は、90日以内ならビザなしでも日本に在留できます。
そのため、在留期間3ヶ月のビザが交付されるのは基本的にビザ免除国以外の外国人です。あるいは、経済状況や素行に不安があるなど、入局管理局が3ヶ月に1回の頻度で状況を確認したいと考える外国人に交付されます。

就労ビザの種類別の取得条件

それでは、就労ビザの種類別に取得条件を見ていきましょう。
全てをここでご紹介するのは難しいので、取得者の多い「人文知識・国際業務ビザ」「技術ビザ」「特定活動ビザ」の条件をご紹介します。

人文知識・国際業務ビザの取得条件

人文知識・国際業務ビザ取得の条件は、最初の項目でご紹介した大まかな条件を満たし、日本国内で以下の業務に従事することです。

人文知識
日本の公私の機関との契約に基づいて行う法律学、経済学、社会学、その他人文科学 の分野に属する知識を必要とする業務に従事する活動
国際業務
外国の文化に基盤を有する思考または感受性を必要とする業務に従事する活動

また、企業側の条件の項目でご紹介した通り、受け入れ企業もある程度の安定性や雇用の必要性が求められます。
細かな審査基準はケースバイケースとなるため、ここで一概にご紹介することはできません。

技術ビザの取得条件

技術ビザの申請者は、先にご紹介した条件の他に以下の条件のうち一つを満たす必要があります。

  • 従事しようとする業務について、必要な技術もしくは知識に係る科目を専攻して 大学を卒業、もしくは同等以上の教育を受けた。または、10年以上の実務経験により、当該技術もしくは知識を修得している。
  • 申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し、または法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有している。

また、給与については

・同じ仕事に従事する日本人と同等以上の報酬を受ける。

という条件もあります。

特定活動ビザの取得条件

特定活動ビザは指定されている活動の幅が広いため、条件は多岐に渡ります。
外交官の家事使用人以外は、本業としてではなく、補助的なアルバイトやインターンとしての就労を許可するものが多くなっています。

代表的なものとしては、

  • 外交官の家事使用人:外交官等に個人的使用人として雇用された18歳以上の者が、雇用した外国人の家事に従事する活動
  • ワーキングホリデー:日本文化や日本の生活を知るために一定期間の休暇を過ごす中で、必要な旅行資金を得るための活動
  • サマージョブ:外国の大学生が、授業のない3ヶ月以内の期間で大学が指定した期間の業務に報酬を受けて従事する活動

などが挙げられます。

就労ビザの更新に必要な条件

就労ビザを更新する場合、取得時と勤務先や職務内容に変更がなければ、以下の条件を満たしていると審査がスムーズに進みます。

  • 申請通りに給与が支払われている
  • 税金の未払いや滞納がない
  • 犯罪をしていない

就労ビザの更新申請は、以下のものを入国管理局に提出すると行うことができます。

  • 在留期間更新許可申請書
  • パスポートのコピー
  • 在留カードのコピー
  • 直近の住民税の課税証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
  • 勤務先会社の直近の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

就労ビザにおける学歴要件とは?

日本の就労ビザが取得できる学歴要件とは、以下の学校を卒業していることです。

  • 大学院
  • 大学
  • 短期大学
  • 専門学校(日本国内の学校のみ)

学歴がない場合は、実務経験や在職証明書でこれを補うこともできます。

まとめ

就労ビザ取得の条件は、ビザの種類によって多岐に渡ります。
しかし、大まかにいうと「その外国人を受け入れることで、日本に利益があること」が全てに共通する条件です。個々の審査にはそれぞれの事情が関係するため、絶対的な基準や条件は一概に言えません。

日本で就労を考える外国人、また外国人を雇用したい企業側は、なるべく良い条件を揃えて審査をスムーズに通過できるよう努めましょう。

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