就労ビザについて企業側が知っておくべき基礎知識まとめ

外国人を雇用する場合には、受け入れ企業側が就労ビザの取得・変更をサポートします。
外国人は日本の法令を知らないことが多いので、受け入れ企業側がしっかり知識を持っておくのが大切です。

今回は、外国人の雇用にあたって、企業側で必要な準備・手続きを詳しく解説します。
就労ビザの取得必要な書類や、外国人を雇用する時の注意点を知っておきましょう。

就労ビザについて企業側が知っておくべき基礎知識

それではまず、外国人を雇用したい企業側が知っておくべき就労ビザの基礎知識を見ていきましょう。

就労ビザと在留資格の違いとは

「就労ビザ」というのは一般的に使われている言葉ですが、実は就労ビザというもの自体があるわけではありません。

就労ビザは外国人に与えられる在留資格のうち、就労資格があるものの総称です。
職種別の17種類の就労ビザと、高度専門職ビザを合わせた18種類を、一般的に就労ビザと呼びます。

実際には永住権や日本人の配偶者の在留資格にも就労資格がありますが、制度や取得方法が違うため就労ビザとは分けて考えることが多いです。

外国人の募集方法は?

外国人の募集方法は、大きく分けて次の5つです。

  • 新聞・雑誌・インターネットなどに求人広告を掲載
  • 従業員・取引先・学校などからの紹介
  • 外国人雇用サービスセンターからの紹介
  • 民間の人材紹介会社からの紹介
  • SNSでの求人

「新聞・雑誌・インターネットなどに求人広告を掲載」は、掲載コストがかかりますが大量の応募が見込めます。
ただし、応募してくる人材の質はまちまちなので、質を問わず大量採用したい場合におすすめです。

「従業員・取引先からの紹介」や「SNSでの求人」は、コストがかかりませんが応募数が集まる保証はありません。求人コストを抑えたい場合や、少人数のみ採用したい場合に適しています。

「外国人雇用サービスセンターからの紹介」「民間の人材紹介会社からの紹介」は、採用したい人物像がある程度指定できるため、人材の質を重視したい場合におすすめです。

就労ビザの確認は面接の前に!

外国人を雇用する場合、就労ビザの確認は面接の前に行いましょう。
面接で採用を決めたあとで、就労ビザの都合で働き出すことができないとなると、無駄な時間とコストがかかってしまいます。

面接前の書類審査で採用したい人材をある程度絞り、就労ビザを確認して実際に働けるかどうかがわかった後、面接で採用する人材を決めるとスムーズです。

就労ビザの審査には1~3ヶ月

就労ビザの新規申請・変更申請には、平均して1~3ヶ月の審査期間が必要です。
詳しい標準日数は、法務省のホームページで確認できます。

就労ビザを持たない外国人を働かせてしまうと、不法就労となり企業側にもペナルティがあります。
そのため、就労ビザの取得・変更手続きが必要な外国人を採用する場合には、余裕を持って入社日を決めるようにしましょう。

就労ビザ取得時に企業側が準備すること|国内の外国人雇用

それでは、外国人を採用する際、企業側が具体的にするべきことを解説していきます。
まずは、すでに国内にいる外国人を雇用する場合を見ていきましょう。

①在留資格を確認する

すでに日本にいる外国人は、必ず在留資格を持っています。
まずはその在留資格の内容を確認し、自社で働くために資格の変更が必要かどうかを確かめましょう。
必ず確認するべき事項は、以下の通りです。

  • 就労資格があるビザかどうか
  • 雇用予定期間まで就労ビザが有効かどうか
  • 自社の職種が就労ビザの資格と合致しているかどうか

就労ビザの種類・満了日は、外国人が持っている「在留カード」を見れば確認できます。
就労可能な職種を確認するには、「在留資格認定証明書交付申請」という手続きが必要です。

②労働契約を締結する

就労ビザの種類や必要な手続きが確認できたら、労働契約を締結します。

海外では書面による契約を重視することが多いので、しっかりと雇用契約書を作成して取り交すのが重要です。
詳しい職務内容や給与規定、就業規定についてここで合意しておくと、後々のトラブルを回避することができます。

③就労ビザを申請する

契約の締結後、就労ビザの申請をします。
資格変更の必要がない場合でも、「所属機関の変更」という手続きが必要です。

在留資格変更が必要な場合

雇用にあたって在留資格の変更が必要な場合、「在留資格変更許可申請」を行います。
この手続きには、申請書の他に外国人の学歴・職歴を証明する書類や、受け入れ企業側の規模や事業内容を証明する書類が必要となります。

就労ビザの新規取得と同じくらい大掛かりな手続きで、場合によっては審査に落ちることもあり得ます。
在留資格変更申請が受理されないと、その外国人を雇用することはできません。

在留資格変更が不要な場合

すでに持っている就労ビザの資格が、自社の職務内容と一致している場合、在留資格の変更は必要ありません。
そういった場合でも、外国人が転職するときは必ず「所属機関の変更」という届け出を行います。

この手続きは出入国在留管理局の窓口か、郵送、インターネットで可能です。転職から14日以内に行う必要があり、忘れてしまうと次回のビザ更新時に審査で不利になる可能性があります。

基本的には本人が行う手続きで、企業側のペナルティは特にありません。しかし、外国人はこの手続きを知らない場合もあるので、受け入れ企業側でフォローをした方がいいでしょう。

④受け入れ準備・雇用開始

就労ビザの変更ができたら、必要に応じて受け入れ準備を行い、雇用を開始しましょう。
外国人の受け入れ準備としては、以下のようなものが考えられます。

  • 保険・年金の加入・変更
  • 外国人の日本語教育
  • 外国語のマニュアル整備
  • 従業員への周知

就労ビザ取得時に企業側が準備すること|海外の外国人雇用

次に、海外にいる外国人を呼び寄せて雇用する場合の、企業側の準備を解説していきます。

①就労ビザがとれるか調査・確認

まずは、雇用したい外国人の学歴・職歴が、自社での就労に必要な就労ビザの条件を満たしているかどうかを確認します。

実際に審査を通るかどうかは申請をしてみるまでわかりませんが、採用を決める前に条件の確認をしておくとスムーズです。

労働契約を締結する

就労ビザを取れる見込みがあれば、労働契約を締結します。
新規の就労ビザの取得には、受け入れ企業が決定し、雇用契約を結んでいる必要があります。

日本にいる外国人を雇用する場合と同様、職務内容や給与規定、就業規定について合意し、書面にしておきましょう。

②就労ビザを申請する

次に、いよいよ就労ビザの取得申請です。
就労ビザの取得にあたって、企業側に必要な準備は次からの項目で詳しく解説します。

③企業側が「在留資格認定証明書交付申請」

外国人を呼び寄せて雇用する場合、企業側が「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
この手続きで、企業側は事業規模や経営状況を証明する書類を提出する必要があります。

企業側が準備する書類は、企業の規模によって異なります。

カテゴリ1(上場企業など大企業)

・四季報または決算短信などのコピー

カテゴリ2(前年度の源泉徴収税額が1,500万円以上の企業)

・法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)

カテゴリ3(前年度に法定調書合計表を提出した企業・個人)


・法定調書合計表のコピー(受付印があるもの)
・会社概要
・登記事項証明書
・損益計算書
・雇用契約書
・雇用理由書

カテゴリ4(その他の企業・個人)

・直近年度の決算書のコピー
・会社概要
・登記事項証明書
・損益計算書
・雇用契約書
・雇用理由書

④在留資格認定証明書(原本)は外国人本人へ

審査を通り、「在留資格認定証明書」が交付されたら、原本は本人へ渡します。
大変重要な書類なので、追跡可能なEMS・FedEx・DHLなどを利用して紛失しないように郵送してください。

⑤自国の大使館・領事館でビザ発給

「在留資格認定証明書」は、就労ビザそのものではありません。
外国人本人が自国の大使館・領事館に在留資格認定証明書を提出し、就労ビザを発給する必要があります。

発給から1~2週間程度でビザが交付されるので、受け取ってから来日します。

⑥来日・入国審査・在留カード交付

就労ビザが交付されれば、いつでも来日が可能です。

入国審査を経ると、来日した外国人には空港で在留カードが交付されます。
住居地が「未定」となっている在留カードが交付されるので、後日、居住する自治体の役所に出向いて住居地を登録します。

⑦受け入れ準備・雇用開始

最後に、企業側が雇用に当たっての受け入れ準備を行い、雇用開始となります。

留学生を雇用する企業側の対応は?

日本にいる留学生を、卒業後そのまま日本で雇用する場合、留学ビザから就労ビザへの変更が必要です。
企業側で必要となる書類は、新規申請・変更申請の場合と同じです。

ただし、留学生の場合は変更申請の際に学校で発行した「卒業見込み証明書」を提出し、実際に卒業した後に「卒業証明書」と引き換えに就労ビザを受け取ります。

まとめ

就労ビザを新規取得・変更する場合には、企業側も書類を用意したり、申請手続きを行ったりする必要があります。
本人が行う手続きもありますが、外国人は日本の法令をよく知らないケースも多いため、企業側でしっかりサポートをしましょう。

また、外国人を雇用するときには、就労ビザの手続き以外にも、保険・年金など日本人社員を新規雇用するときと同様の業務が必要となります。

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